昨日の欧州序盤では、前日に遅れるのではないかとウワサされたドイツの憲法裁判所の判決が、前日に流れた話しとは違って遅れずに来月の12日に予定通りに出されるというニュースで始まった。前日は不透明感の増幅ということでユーロ売りで反応したが、当然のことで反対の反応となる。
ユーロドルは1.23台のミドルで始まったのだが、1.23台の後半まで持ち上がった。私はユーロドルをどこかで売ろうと思っていたのだが、こうして上がっているうちは流れに逆らってまで逆張りするつもりはない。それでも売りそびれてはいけないと思い、1.2325でオファーをしながら、1.2445で買い戻しのストップ注文だけを置いておいた。
これは1.20台からのマックス戻しである1.2442を意識したもの。さすがにそこを越えてくれば、純然たるユーロブルに転じる予定だ。しかし日足で見ると、そのポイントでダブルトップの形を形成している。かなり重要な重さであることも考慮に入れておかねばならないはずだ。
結局、ユーロドルの上昇は1.2385あたりまで。その後にはすぐにドイツの景況感の発表となったが、ZEW指数は予想よりも大きく下回って悪化していた。これでユーロの上昇要因に歯止めがかかった格好となった。私も遅まきながらも1.2354で売り込んでいった。
さっきの戻り高値のちょっと外側である1.2390でストップ注文を置いた。この損切りラインはあくまでも最悪の場合であって、仮にリスクテークで欧州株やグローベックスでの米国株が大きく上伸してきたら、その時点ですぐにやめる。もう1.24台でのショートは完全にあきらめた。
マーケットは米国の経済指標待ちで動きにくくなった。今回の注目は小売売上高だ。ここ何カ月はずっとマイナスが続いていたのが、ようやくプラス転しそうだというコンセンサスになっている。しかしこれは相場にとっては痛しかゆしであって、そもそも国内景気が良くないだろうということで金融緩和という政策期待が高まり、これまでの相場を支えてきた。
言ってみれば、米国株などがもう今年の最高値に手の届くような場所にいることを考え合わせると、それが不必要なまでのリスクテークを呼び込んだことになる。つまり下手に経済指標が良いものが出ようものならば、一転して期待がはがれて相場の流れが逆向きに行ってしまう可能性がある。私としては現状の株価では追加緩和の合理性があまりにも欠如していると考えているので、期待がはがれるのは時間の問題だと思っている。
このきっかけを与えるのは強い経済指標かもしれないし、誤解しているマーケットをなだめるべきバーナンキ議長などの要人発言なのかもしれない。そうなると月末に予定されているバーナンキ議長のジャクソンホールでの講演あたりが契機になるのかもしれない。
とにかく小売りのデータは予想のプラス0.3%をはるかに超えて、なんとプラス0.8%となった。グローベックスでの米国株は素直に高値攻めで反応したが、やはり期待がなくなる分を恐れてか、上値追いは限定的だった。米国債が下落に向かい、長期金利が上昇してきたので、ますます金利先安観はなくなってきた。
為替相場も素直にドル買いで反応。ドル円は78円台の後半に。ユーロドルも最初は上がりたさそうにしていたが、ドル金利のことは無視できず、やはりドル高の方向で反応。1.23台の前半まで下がった。私としてはもうちょっと進んで1.22台の後半くらいまで見るのではないかと思っていたのだが、押しは浅かった。私はユーロショートをキープしたまま、1.2350で買い戻しのストップ注文を置いた。
今晩もたくさん指標が出る。重要なのはエンパイア指数であろう。景況感がどうなっているかだ。昨日と同じように、これが良いとなると株価は下げ、債券相場も下げるという状態になるのではないだろうか。したがって為替相場ではドルの全面高になってしまうのではないかと想定している。
ドル円も79円台に乗せてくれば、なお安心感が増す。ユーロドルでのドル高の目安としては、7月と8月のユーロドルの高値と安値のちょうど半値戻しである1.2242あたりまで視野に入れている。
日本時間 17時00分
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