■IMF・世界銀行総会で経済成長見通し下方修正
10月は、9日(火)から東京でIMF(国際通貨基金)・世界銀行総会が開催されています。
ここで経済成長に関する見通しなどが出てきていますから、そのあたりから見ていきましょう。
IMFは今回、2012年~2013年の世界経済の見通しを2012年7月時点から下方修正しています。
■ユーロ圏の成長率予想は0.5%も引き下げ
まずは世界経済全体の成長率ですが、2012年は、従来の3.5%から3.3%に、2013年も同様で、従来の3.9%から3.6%に下方修正しています。

(出所:IMF、内閣府)
次に先進国についてですが、米国は7月時点から横ばいですが、日本に関しては2012年が2.2%、2013年が1.2%と、それぞれ0.2~0.3%程度引き下げています。
ユーロ圏に関しては、特に2013年の予想を0.2%と、それまでの0.7%から実に0.5%も引き下げています。
当コラムでも、財政圧縮によってユーロ圏の経済が落ち込む可能性が高いことをお伝えしてきましたが、まさに、そのような内容をIMFも示していることになっています。
【参考記事】
●金融市場は混沌、相場はレンジ入りか。懸念は欧州経済危機の「負のスパイラル」(4月19日、今井雅人)
●欧州問題がはらむ、2つの根本原因とは? クロス円も株も売り先行でいくべき!(5月31日、今井雅人)
●ECB、BOE、中国が続けて金融緩和。欧州経済は厳しく、ユーロは売り継続!(7月13日、今井雅人)
■中国よりもインド・ブラジルの経済が深刻
最後に新興国・発展途上国ですが、2012年が5.3%、2013年が5.6%と、それぞれ0.3%、0.2%の引き下げとなっています。
新興国のなかで、際立って経済規模が大きい中国の成長率が0.2%程度ほど引き下げられていますが、それ以上に深刻なのは、インド・ブラジルです。
両国とも2012年の経済予測は、1%以上、下方修正されています。
急激な変動要因が見当たらないなかで、このような大幅な下方修正は、異例と言わざるを得ません。
このように、世界経済は非常に厳しい状況になってきています。
■世界経済は深刻でも極端な円高にはならない
このような状況は、為替相場においては円高要因となるでしょう。
ただ、先週のコラムでもお伝えしているように、私自身は、ここから極端に円高が進むような動きはイメージしていません。
【参考記事】
●豪州が利下げしたが、豪ドル/円は押し目買い、下抜けたら一転売りの作戦!(10月4日、今井雅人)
その鍵を握っているのは、やはりポジション動向で、円売りポジションがほとんど溜まっていない今の環境下では、ちょっと悪い材料が出てきても、極端な円高に進む可能性は高くないと思っています。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨 vs 円 日足)
ただ、そうは言っても経済がこれだけ悪いと、ドンドン上昇していくような円安相場も難しいでしょう。
結果として、相場は全体的に動きが鈍くなってくるのではないかと思っています。
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