本コラムに関連して例をあげると、ユーロ/円は2012年7月27日(金)、米ドル/円は8月17日(金)、豪ドル/円は遅くとも10月26日(金)のコラムあたりの時点でエントリーを考えるべきだろう
【参考記事】
●ドラギ総裁発言でユーロが激しく上昇! 平凡な発言内容になぜ激しく反応した?(7月27日、陳満咲杜)
●エリオット波動論から浮上してきたドル/円が力強く上昇していく可能性とは?(8月17日、陳満咲杜)
●もはや豪ドルは「資源国通貨」ではない? 米ドルには上昇を強く示唆するシグナル!(10月26日、陳満咲杜)
■長期スパンにおける円安トレンドの根拠とは?
ところで、短期スパンの戦略はともかく、長期スパンにおける円安トレンドは続き、また本格的な円安時代の幕が開く公算が大きい、ということを繰り返し指摘してきたが、根拠に関しては以下のとおり。
説明するにあたって、まず11月26日(月)の本コラムで掲載したチャートを再掲載することにしよう。
【参考記事】
●米ドル/円の85円程度は通過点。なぜ長期円安時代が始まったと言えるか?(11月26日、陳満咲杜)
(出所:米国FXCM)
上のチャートが示しているように、米ドル/円のプライマリーサイクルは16/17年で、1971年以来、ちょうど2つのサイクル、つまり198カ月サイクルの形で出現していた。この2つのサイクルにおける上昇期間と上昇幅を計算してみたい。
1978年10月安値176.61円から1982年11月高値277.77円まで、米ドル/円は4年間の歳月をもって101円程度の上昇幅を達成していた。
対して、1995年4月安値80.43円から1998年8月高値147.63円まで、米ドル/円は同じく4年あまりの歳月をもって67.2円の上昇幅を記録した。
2回目のプライマリーサイクルの上昇値幅は1回目の66%に相当していることがわかる。
したがって、同じリズムなら、2011年10月31日(月)安値75.57円を起点とした3回目のサイクルは、最低でも4年の歳月をもって上昇し、119.80円(66円×0.66+75.57円)前後の高値を打診するだろう。
■119.80円はもっとも「保守的」なターゲット
ここで強調しておきたいは、この119.80円というターゲットは、最低、つまりもっとも保守的な計算であるということだ。
しかし、このもっとも保守的な計算でさえ、米ドル/円のトレンド反転、つまり1970年代から一貫して続いてきた円高というメイントレンドを引っくり返すヒントを潜めていると思われる。なぜなら、下のチャートを見てみよう。
(出所:米国FXCM)
119.80円というターゲットを達成できれば、1998年高値から引かれた抵抗ラインをブレイクすることになる。このブレイクは重大な意義を持つ。このあたりの詳説は、また次回。
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)