■海外のFX口座もちゃんと申告しないとヤバイぞ!
海外だから申告しなくていいや! (バレなければ…フフフ)という人もいるかもしれませんが…もちろん申告しないといけませんよね?
「はい、申告しないとダメです(キッパリ)」
いったい、どうして申告漏れはバレてしまうんでしょうか?
「正直なところ、税務署がどうやってそういった情報を把握しているかまではわからないですね(笑)。ただ、海外のFX会社であったとしても、税務署が必要な情報の開示を求める、という可能性はあり得るんじゃないでしょうか」

「みなさん、仮に海外のFX口座であったとしても、ちゃんと申告をしてくださいね!」
もちろんです! 海外のFX口座でボロ儲けしちゃった方も、ちゃんと申告しましょう。
■FXの確定申告はどうやって手続きをすればよいの?
あまり大きい金額でなければ、個人の方で税理士さんに確定申告の代行を依頼するということもないと思うのですが、FXで得た利益や損失の繰越控除のために申告をするには、具体的に何をどうすれば良いのでしょうか?
「個人の方が自分で申告する場合は、国税庁のウェブサイトに申告書の様式があるので、それをダウンロードして記入してください。
また、確定申告時期には、税務署などに相談コーナーが設置されますので、そこで相談するのも良いと思います。電子申告(e-Tax)もできますよ。この時期は、僕たち税理士も相談コーナーに出動しています(笑)」

確定申告の際、いっしょに提出しなければならない書類などはありますか?
「申告書第三表や先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書などを添付してください。また、損失の繰り越しがある場合は、『付表(先物取引に係る繰越損失用)』というものが別途必要ですので、それを添付します。
いずれにしても、個人の方がご自分で申告する際は、間違いがないように、わからないことは、先ほどご案内した相談コーナーなどで専門家に確認するようにしてください」
ちなみに、電子申告(e-Tax)も、慣れてしまえば楽にできるようになるそうです。いずれにしても、自分で手続きをする場合は、間違いがないよう相談コーナーなどを活用しながら申告手続きをするか、税理士の方にお願いしたいですね。
■ちょっと脱線話! FXの調子はいかがですか?
最後にちょっとだけ、脱線話!
税理士として担当されている顧客は、法人が多いのでしょうか? なかには、FXを取引している方もいらっしゃるとか…?
「はい。法人が多いですね。担当している法人の社長さんでFXが好きな方もいますよ。そういえば、以前、友人が店頭取引FXと取引所取引FXとどちらも取引していて、片方で利益、片方で損失という年がありました」

友人がFX取引をしていて、2011年以前に取引所取引FXと店頭取引FXで「損益通算できないの?」と聞かれたことがあるそう。
「その友人に、『損益通算できないの?』 と聞かれたのですが…当時(2011年以前)は、損益通算できなかったですからね。できないよって伝えたこともあります」
そうそう、三瀬さんご自身もFXをやっていらっしゃるとうかがいましたが、トレードの調子はいかがですか?
「少しだけです…(笑)。最初は何となく始めたのですが、FXを取引しているクライアントや友人もたくさんいるので、僕もそういう話ができたほうが良いと思って続けています。実際、FXの確定申告を依頼されるケースもありますので」

ちなみに、FXをはじめられてどのくらいですか?
「実は、けっこう長いんです(笑)。26歳くらいからですから、5~6年になりますね」
ということで、今回はご自身でFX取引の経験もある、税理士の三瀬宏太さんにご協力いただき、FXの確定申告についてアレコレ聞いてみました。
2012年分の申告から店頭取引FXの税制も取引所取引FXの税制と一本化されており、さまざまな面でルールも変わっています。
一定の金額を上回った利益を申告するのは当然として、せっかく使えるようになった「損益通算」や「繰越控除」などの制度も活用しないともったいないですよ! うまく節税効果を得られるかもしれません。
FXの場合、税理士を介さず自分で申告をしようという方も多いはず…該当する方は、わからないことは、専門家へ相談するなどしつつ、間違いのないよう、きちんと確定申告をしましょう!
(取材・文/ザイFX!編集部・向井友代 撮影/和田佳久)
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