■いきなり、ビットコインが10万円ほどの急上昇
2018年4月12日(木)19時頃から、BTC(ビットコイン)が急上昇。70万円台前半から80万円台前半まで、10万円ほど一気に吹き上げました。
この動きには、投資ブログ「Market Hack」編集長で、近年、仮想通貨に関する情報も発信している広瀬隆雄氏(@hirosetakao)も絶叫。ひさびさに、大きな動きでしたもんね。
ぎゃぁぁぁぁビットコイーーーーーーーン!
— 広瀬隆雄 (@hirosetakao) 2018年4月12日
レバレッジ取引で売りポジションを保有していた人には、歓迎できない事態だったかもしれませんが…。値動きが激しい仮想通貨取引でのレバレッジの掛け過ぎには、くれぐれもご注意を! 資金管理は慎重に!
その後、値動き自体は落ち着いてきたようです。以下は4月13日(金)11時台のビットコイン/円の1時間足チャートですが、80万円台で底堅く推移しています。
(出所:GMOコイン)
他の主要な仮想通貨もビットコインのこうした動きに同調した様子で、ETH(イーサリアム)やLTC(ライトコイン)、XRP(リップル)なんかも昨夜から上昇しています。
ここのところ軟調な動きが続いていた仮想通貨ですが、いったいどうして急に上昇したのでしょう? まさか、このまま上昇トレンド復帰!?
はっきりした要因は特定できませんし、いずれも、だからって1時間で10万円もの急上昇につながる直接的な要因になるのかよ? という気はしないでもないのですが、現在、巷で出回っている上昇要因をまとめて、ざっくり紹介してみたいと思います。
<巷でウワサされている3つのビットコイン上昇要因>
・ その1 : 米国確定申告期限が過ぎたから?
・ その2 : ソロスが仮想通貨投資開始?
・ その3 : イスラム法で仮想通貨容認へ?
■ビットコイン上昇要因その1:米確定申告期限が過ぎたから?
冒頭で絶叫をご紹介した広瀬隆雄氏は、その後、ビットコイン上昇の要因について、以下のようにツイートしていました。
確定申告絡みの売りが途切れたから騰がっています。 https://t.co/ZacFwIWKSf
— 広瀬隆雄 (@hirosetakao) 2018年4月12日
確定申告といっても、これは日本のことではなく米国の話(広瀬氏は米国在住です)。
2018年の米国の確定申告期限は、4月17日(火)。
少し前に、仮想通貨で大儲けした投資家の一部が、税金を払うために保有する仮想通貨の一部を売却しており、それが価格の下落に影響していると報じられていました。
再び広瀬氏のツイートを参照すると、こういうことみたい。
コインベースだと昨日BTC売却しても確認できるのは14日(土)、銀行のシステムは週末はアップデートされないので残高に反映されるのは16日(月)。ことしの確定申告の消印は17日(火)。だから今日が最後の売り圧力日でした。 https://t.co/g2Y9kKkrvh
— 広瀬隆雄 (@hirosetakao) 2018年4月12日
なるほど、そういう事情があったのか。これも1つの上昇要因ではありそうですね。
【広瀬隆雄氏が登場する仮想通貨関連記事】
●【仮想通貨激論!】広瀬隆雄vs大石哲之(1) トラストレスを巡る筋書きのない議論開始!
■ビットコイン上昇要因その2:ソロスが仮想通貨投資開始?
超有名な投資家、ジョージ・ソロス氏が仮想通貨取引を計画している!? と報じられたことが、ビットコイン上昇の要因になっているとの見方もあります。
2018年1月にスイスのダボスで開催された世界経済フォーラム(ダボス会議)で、ソロス氏は、仮想通貨のボラティリティの高さに懸念を示しており、あまり投資に肯定的な雰囲気ではなかったように思うのですが、方針が変わったのでしょうか。
報道によると、まだ実際の取引には踏み切っておらず計画段階にあるとのことですが、世界クラスで著名な投資家・ソロス氏ですから、ガチで仮想通貨投資を始めれば金額規模もかなりのモノになるのでは?
そうなれば、今後、仮想通貨の価格形成に影響を及ぼしかねない存在になるかも…? 今後の動向に注目です。
【ジョージ・ソロス氏に関する参考記事】
●ポンド危機:中央銀行がヘッジファンドに敗れポンドが暴落した「ブラックウェンズデー」
■ビットコイン上昇要因その3:イスラム法で仮想通貨容認へ?
もう1つ、上昇要因ではないか? とみられているのが、イスラム法でビットコインが認められたのかも!? というもの。
詳しいところはわかりませんが、イスラム金融では、利子の受け渡しやお酒、ポルノ、賭博などイスラム法(シャリーヤ)に反する事業への投資が禁じられており、ビットコインをはじめとする仮想通貨への投資についても、イスラム法学者から禁止する宗教令(ファトワ)が発表されていました。
仮想通貨が持つ投機性が賭博と似ている、ということで、そういうお触れが出されたようです。
そんな仮想通貨取引に否定的だったイスラム法の世界で、仮想通貨取引が認められたとすると、これはニュース。
もしかすると、石油で潤ったイスラム圏の中東の国々から潤沢な資金が仮想通貨市場に投下され、価格上昇につながるのでは? などと期待が高まります。
仮想通貨取引は、OKか? NOか? イスラム法学者の間でも議論が続いているようですが、一部の報道によると、金(ゴールド)などの現物資産に裏付けられているなど、イスラム法学者たちが容認する仮想通貨を作り、発行することで、イスラム世界に仮想通貨取引を浸透させようとする動きもあるとか。
各国・各地域が持つ多様な文化を背景に、その地域や国独自に開発され、発行される仮想通貨が、今後も増えていくのかもしれませんね。興味深い話なので、今後も注目していきたいと思います。
【参考記事】
●インフレ率2616%、通貨暴落のベネズエラ。仮想通貨ペトロを政府が発行して危機脱却!?
なんて原稿を書いている間に、仮想通貨相場はすっかり落ち着いてしまったのか…? 以下は4月13日(金)16時台のビットコイン/円1時間足ですが、動きが鈍くなってきた様子がわかります。
(出所:GMOコイン)
仮想通貨は、株や為替と異なり、基本、土日祝日も関係なく動きます。昨夜はお伝えしたとおり、大きく動いたワケですが、この週末はどんな動きをするのでしょうか?
週明け以降の動向を探る上でも、注目しておきたいですね。
(ザイFX!編集部・向井友代)
【参考コンテンツ】
●ビットコイン・仮想通貨の取引所/販売所を比較。取引コストが安いのはどこ?
●「ビットコイン・仮想通貨のFX」ができる取引所を比較。上昇も下落も収益チャンスに
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