■株価下落、円高なのに長期金利は下がらない
さらに、心配な点があります。
5月上旬~中旬の流れを見ていると、日本株上昇、円安、長期金利の上昇が3点セットで動いていました。ところが、今回、急激な日本株の下落、円高が進んでいるにもかかわらず、日本の長期金利はそれほど下がっていないのです。
普通なら、長期金利は急落するはずです。これをどう考えるかはとても重要なポイントだと思っています。
(出所:CQG)
日銀は量的緩和のために、大量の国債を買い続けています。普通であれば、これも金利低下要因のはずなのですが、そうなってはいません。これは、市場がこうした政策に関して疑問を投げかけているとも取れるわけです。
つまり、財政再建が不十分であり、下手をすると日銀の大量の国債購入が財政ファイナンスと見られてしまいかねないということです。
実は、この点を黒田日銀総裁も心配しているようで、再三に渡り、「政府は財政再建にしっかり取り組むべき」と警鐘を鳴らしています。
日本の金融市場の行方は、少しわからなくなってきました。
■米国株式市場にも、もう一波乱あるかも…
また、米国でもFRB(米連邦準備制度理事会)が早期に量的緩和政策を縮小していくことをアナウンスしはじめてから、株式市場の雰囲気が変わってきています。
(出所:米国FXCM)
こちらも6月末に向けて、もう一波乱あるかもしれません。
外国人投資家が作った上昇トレンドを同じ外国人投資家が崩しているという状況なわけですが、もう少し彼らの動きを見ておく必要がありそうです。
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