動かない…米ドル/円は膠着相場に入っている
動かない。為替相場は膠着状態に入ってしまい、毎日あまり動かない状態が続いています。
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ただ、時々、要人の発言で動くこともあります。例えば、今週(9月1日~)2日の氷見野日銀副総裁の発言です。副総裁は「経済・物価情勢の改善に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことが適切」と利上げの必要性を述べた一方で、「リスクや不確実性がなくなることはない」、「メインシナリオから離れたときにもあまり困ったことにならないように適時適切に対応する」とやや慎重な姿勢も示しました。
この慎重な発言のほうにマーケットは反応し、一時的に円安が進み、米ドル/円も一時148円台後半まで上昇しました。

(出所:TradingView)
この程度の発言にこれだけ反応してしまうのかと正直ちょっと驚いたのですが、それは、あまりに材料がないことで、マーケット関係者にストレスが溜まっていたからではないかと思います。その後は、また膠着相場に入ってしまっています。
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米雇用統計は相場を動かす材料となるのか?
そんな中で、注目は9月5日(金)に発表される米雇用統計の8月分です。前回の7月分では、NFP(非農業部門雇用者数)の増減が予想を下回り、さらに過去2カ月が大幅に下方修正されたことで、マーケットに衝撃が走りました。
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⇒米ドル/円は狭いレンジでの動きを想定も146円台は買って細かく利確したい!米雇用統計ショックで米ドル高ムードは一瞬で吹き飛んだ!(8月7日、今井雅人)
この結果に不満を持ったトランプ米大統領が、この結果がフェイクだと言って雇用統計の責任者を解任してしまったほどでした。こうした衝撃的な結果が出た次の月の雇用統計ですから、通常時よりも注目度が高まっています。

大幅下方修正となった前回の米雇用統計発表を受けてトランプ大統領は責任者を解任した (C) Chip Somodevilla/Getty Images News
市場の事前予想は失業率は4.3%、NFPは前月比7万人の増加、平均時給は年率で3.7
%の増加となっています。
どの数字も重要ですが、特にNFPに注目をしておきたいと思います。また、先月のように過去の結果に対しても修正が行われるかもよく見ておきたいところです。
米雇用統計の結果次第で、相場が大きく動く可能性は十分ありますが、それが予想通りだったとすれば、この1週間も小動きになってしまうと思います。
そして、次の注目は、9月17日(水)のFOMC(米連邦公開市場委員会)、19日(金)の日銀金融政策決定会合に移っていきます。それまでは、マーケットも方向感を出すのは難しくなってくると思います。
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米ドル/円は細かく利益を積み重ねるのが最善か?
メキシコペソなどの高金利通貨でスワップを稼ぐか、米ドル/円などの主要通貨でもこまかくさや抜きをするかが、この状況下で出来る最善策だと思っています。
米ドル/円の予想レンジは、米雇用統計で波乱がない場合は147-149円程度と予想しています。

(出所:TradingView)
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