■国内は参院選が終わり、秋の臨時国会までイベントなし
前回のコラムでもお話したと思いますが、参議院選挙も終わり、日本国内では当面大きなテーマがなくなってきました。
【参考記事】
●参院選終了。柳の下のドジョウはおらず…米ドル/円は100円挟むレンジで動かないか(7月25日、今井雅人)
秋の臨時国会が10月に開催されますが、それまでは大きなイベントは今のところ見当たりません。市場の注目は、自然と海外に移ってくるということになると思います。
■注目テーマは、米量的緩和縮小が開始される時期だが…
海外のテーマと言えば、中国経済の問題、ユーロ圏の財政状況なども心配ですが、特に注目されるのが、今後の米国の金融政策だと思います。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 日足)
その金融政策を決定する会議であるFOMC(米連邦公開市場委員会)が7月30日(火)~31日(水)に開催されました。9月にも量的緩和の縮小が始まるのではないかとの見方がある中での開催でしたので、非常に注目度が高かったわけです。
声明文を見ると、一言でいえば「煙に巻いた」という印象です。9月にやるともやらないとも、よくわからないように煙幕を張ったとでも言えば良いでしょうか。
まず、いくつか目立った表現の変化がありました。それは景気認識に関するところです。
■緩和縮小開始はいつ? FOMC声明文の注目ポイントは?
6月の声明文では、最近の景気状況について「Moderate(緩やか、適度)な拡大」という表現をしていましたが、今回は「Modest(控えめ、限られた)な拡大」という表現に変わっています。
一歩後退ということでしょうか。
次に変わったところは、物価上昇率に関するくだりで「目標の2%を下回り続ければ経済へのリスクとなりうる」という文言が新たに加わりました。
これは、物価が2%を下回り続けるような状況では量的緩和縮小は難しいと言っているようにも取れます。一歩後退した感じがします。
3つ目が住宅市場に関してです。前回の声明文では「活動が一段と強まった」という表現をしていましたが、今回は「強まった」に変えています。これも、一歩後退です。
以上3つの後退があったため、量的緩和の縮小開始時期は少し延びるかもしれないなという印象を市場に与えることになったわけです。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足)
やや前のめり過ぎたかな、という反省も少し含まれているのだと思います。
これでまた、米国の金融政策の先行きはわからなくなって…
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