アメリカの金融緩和の継続方針が確認された後ということもあって、金曜日の東京市場では朝からリスクテークが進んで、株買いの圧力が強かった。日経先物は15000円台に乗せて始まり、その後は一度も大台を割り込んでいない。ドル円は100円台に乗せてきているが、それよりもクロス円の動きのほうに注意が注がれた。ユーロ円は134円台のミドルまで値を戻してきているが、このまま株高が進んでしまうとクロス円も一段高の展開にならざるをえない。ユーロ円を買い目で見ながら、株価をウオッチする態勢が続いた。
ユーロ円はアジア時間で134円台の後半まで上昇したが、欧州序盤で失速。やや利食い売りが優勢な状態で海外市場入りだ。ここからユーロ円をロングにするのは、かなりきつい。先月は135円台に達したものの、そこで折り返してきている。つまりダブルトップというわけではないが、当面の強力なレジスタンスを形成していることは間違いがない。それでも積極的に株価が下がる理由も見られないので、機械的に135円台に乗せてきたら買ってみるしかなさそうだ。
欧州時間では何度か135円台乗せをした。しかし勢いというものがない。じゃあアメリカの経済指標を待とうかということにしたが、イエレン氏の公聴会が終わってしまえば、それよりも大きなイベントはないとも言える。実際にアメリカの経済指標は悪いものが並んだが、それには反応しなかった。そして短期的な需給、すなわちポジション調整が顕著に現れて、なかなか株価は崩れなかった。
あまり気は進まなかったが、テクニカル的にしかたなくユーロ円を135.05で買っていった。でも10ポイントも取れない。すぐに5ポイント程でやめてしまった。歴史的な最高値を更新しているといっても、米国株の値幅そのものがとても小さいものであったからだ。冬時間なのでニューヨーク市場で遅くまではつきあわなかったが、クロス円は全面高でクローズしたようだ。
さて今週は日本株の喪明けである。日経先物は5月につけた今年の最高値である16000円後の急落で12290円まで突っ込んだ。そしてそれまでの上げピッチも急だったので、信用買いなどの残高も相当に膨らんでいた。その信用期限が6カ月後の今週に当たるわけだが、それでシコリはなくなるので、上値は軽くなると見られている。それならば買ってみようかなというフレッシュマネーも期待できて、日本株は一段高するには、ちょうどよいタイミングを迎えることになる。
そうしたリスク許容度の増大にともない、クロス円の上昇が期待されるところでスタートしたアジア市場だが、金曜日と同じようにあまり勢いが感じられない。それどころか、ドル円はズルズルと下がってきて、アジア市場の終盤には100円割れを喫してもいる。今晩は大きな経済イベントはまったくないのだし、米国株の動向に振らされることになるだろうが、高値警戒感も出ているところなので、クロス円は戻り売りで構えたほうが面白いのかもしれない。
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