■米ドル/円を押し上げるには日経平均の上昇が不可欠
米ドル/円は日足で一時、一目均衡表の雲の下まで下落しましたが、終値ベースではなんとか雲の中に戻り、本稿執筆時点では101円台を保っています。
(出所:米国FXCM)
米ドル/円を押し上げるためには、日本株の再上昇が不可欠。
その日本株は欧米勢の売りにより、不安定に乱高下しており、依然として上値が重く、本稿執筆時点でも1万4250円という安値圏での推移。
■「フラジャイル・ファイブ」がリスクオフを招く
持ち直したとはいえ、新興国の「フラジャイル・ファイブ」(※)もまさにフラジャイル(fragile、脆弱)な値動き。
「フラジャイル・ファイブ」はFRB(米連邦準備制度理事会)のテーパリングの影響をもっとも受ける通貨です。
これらの通貨が再び軟調に推移するとリスクオフとなり、「株安・円高」の流れに拍車がかかることになりますので、マーケットは「フラジャイル・ファイブ」の動きにも神経質になっています。
(※「フラジャイル・ファイブ」とは、モルガン・スタンレー(MS)が命名したもので、FRBによるQE(量的金融緩和)縮小で打撃を受けやすい5カ国の通貨を指したもの。ブラジル、トルコ、南アフリカ、インド、インドネシアの5カ国)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 日足)
■「日本株と米ドル/円の上値」は限定的!
2014年1月の米ドル/円は、大陰線で終了。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 月足)
「1月効果」のアノマリーもあり、米ドル/円の上値は重い展開です。
過去数週間での日本株の下落が急ピッチであったため、短期的には値を戻す局面があるのでしょうが、上記のことから、「日本株と米ドル/円の上値」は限定的ではないでしょうか。
引き続き、「フラジャイル・ファイブ」、そして日本株と米ドル/円の動向に注目です。
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