■米国のリーダシップ欠如が浮き彫りに
また、ウクライナを巡る状況は報道のとおりであり、ここでは解説しませんが、米国のリーダーシップの欠如が浮き彫りになってきていることは明らかです。
EU(欧州連合)諸国もそれぞれの思惑に温度差があり、制裁と言ってもかなり曖昧なものとなってしまう可能性が出てきています。現状ではロシアやクリミア自治共和国の幹部に対する渡航禁止や個人資産の凍結にとどまっていますが、実質的な影響はまったくないと言っても過言ではありません。
そうなると、ややなし崩し的に現在の状況が続き、曖昧な制裁が今後も続けられる状況が長期化するのではないでしょうか。市場への影響度は、次第に小さくなっていますが、マイナスであることだけは間違いないでしょう。
■中国でマネーバブルの逆回転が起きる懸念も
最後に、何かと最近話題の中国です。
先日、中国の中堅不動産会社が経営破たん状況にあることが報道されました。不動産価格は、ここのところ中国全土で伸び率が鈍化し、今までのビジネスモデルが通用しなくなっています。
不動産バブル崩壊→不良債権の増加→破綻の連鎖という、お決まりのパターンが中国でも起きそうな状況にあるかもしれないということは意識しておくべきでしょう。
先日は、再生エネルギー関連への投資商品にデフォルトが発生しましたが、マネーバブルの逆回転が中国全体で起きてくるかもしれないと、少し警戒しておいた方が良いでしょう。
こうした懸念をすでに金融市場は敏感に織り込んできています。中国人民元は予定どおり1日の変動幅を2%までに拡大しましたが、それに対する反応は、やはり中国人民元売りでした。
(出所:CQG)
これは、中国に対する期待感からの中国元買いの解消であることは間違いありません。
全体的には依然として株式市場、為替市場とも混沌とした状況が続くという見方を踏襲しておきたいです。取引をする際には、レンジ相場を意識して細かいトレードを心がけることが得策でしょう。
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