■株式、為替ともにレンジ相場が続く可能性は高い
先週(3月17日~)から今週(3月24日~)にかけての世界全体の金融市場を見ても大きな変化は見られず、日本の株式市場、為替市場ともに予想どおり、レンジ相場に入り込んでしまっています。
【参考記事】
●イエレンFRB議長が示した利上げ時期は? 米ドル/円100円~101円台は押し目買いか(3月20日、今井雅人)

(出所:株マップ.com)

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 日足)
ウクライナ情勢も長期化しそうな様相を呈している一方、各国の経済状況にも特筆することは少なく、今後も当面このような展開が続く可能性が高そうです。
■豪ドルとNZドルに注目! オセアニア通貨に動きあり
そんな中で1つ動きが出てきている通貨があります。それは豪ドル、NZドルなどのいわゆるオセアニア通貨です。
まず、3月13日(木)にニュージーランドが政策金利を0.25%引き上げて、2.75%としたことが大きかったです。RBNZ(ニュージーランド準備銀行[ニュージーランドの中央銀行])は、今後も段階的に金利を引き上げていくことを表明しています。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:NZドル/米ドル 4時間足)
同日(3月13日)、オーストラリアでは、2014年2月の雇用統計が発表されました。雇用者数の前月比は4万7300人の増加と、予想の1万500人の増加を大幅に上回りました。
この日から市場の雰囲気は強気に変わっていきました。というよりも、弱気の見方から転換したと言った方が良いかもしれません。
■中国経済の低迷はオセアニア諸国に影響しないか?
ご存知のとおり、現在中国は社債のデフォルトが発生するなど不安定な状況にあり、株価も低迷、中国人民元も下落してきました。

(出所:CQG)
ただ、これも今後本格的にデフォルトの連鎖が起きると確信するような状況にはなく小康状態です。中国経済との関係が深いオセアニア諸国にとっては中国経済の低迷はマイナス材料ではあるのですが、今のところ大きな影響が出る局面ではないということです。
■豪ドルは年内の利上げ可能性が高まってきた
そんな状況下で前述のとおり、オセアニア両国の経済状況、金融状況が好転してきています。経済指標も良好であり、かつインフレ率も上昇傾向となってきています。
3月26日(水)にはRBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])のスティーブンス総裁が、「鉱業主導の需要増加から内需中心へと移行する初期の兆候が見られる」と述べ、「年内に国内経済の勢いが強まる可能性がある」との見通しを示しました。
つまり、年内の利上げの可能性が高まってきたということです。こうした状況もあり、先行き見通しが悲観的なものから楽観的なものに変わってきたことで、為替市場でもショートポジションの大きな巻き返しが起きる、ということになりました。
■豪ドルのショートポジション解消で上昇余地拡大か
IMM(国際通貨先物市場)のポジション状況を見ると、ショートポジションの解消のための豪ドル買いが起きていることが見て取れます。

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)
現状、ポジション調整はかなり進んではきているものの、依然としてポジションはショートであるので、もう少し上昇の余地はあるでしょう。
チャートを見ても、上昇トレンドとなっているのがよくわかります。特に両通貨とも対米ドルを見るとその傾向が鮮明です。豪ドルは、ついに200日移動平均線という長期トレンドのレジスタンスをしっかりと上抜けてきました。

(出所:米国FXCM)
日米欧にはっきりとしたトレンドがない中、短期的にオセアニアに注目が集まってくる可能性は高いと考えておきたいところです。
【ザイFX!編集部からのお知らせ】
ザイFX!でもおなじみの今井雅人さんからのレポートを受けて、ザイFX!が 配信する「ザイFX! FXプレミアム配信 With今井雅人(月額:5,500円(税込))」。
その日のニュースをコンパクトに解説し、今後の為替の値動きについての予測とともに、今井氏のポジションについても可能な限り配信する、実践型の有料メルマガです。
「ザイFX! FXプレミアム配信 With今井雅人」には10日間の無料体験期間がありますので、ぜひ一度体験していただき、みなさんのトレードの参考にしてみてください。















![ゴールデンウェイ・ジャパン(旧FXトレード・フィナンシャル)[FXTF MT4]](/mwimgs/c/d/-/img_cd98e6e3c5536d82df488524d85d929d47416.gif)








株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)