■豪ドルは年内の利上げ可能性が高まってきた
そんな状況下で前述のとおり、オセアニア両国の経済状況、金融状況が好転してきています。経済指標も良好であり、かつインフレ率も上昇傾向となってきています。
3月26日(水)にはRBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])のスティーブンス総裁が、「鉱業主導の需要増加から内需中心へと移行する初期の兆候が見られる」と述べ、「年内に国内経済の勢いが強まる可能性がある」との見通しを示しました。
つまり、年内の利上げの可能性が高まってきたということです。こうした状況もあり、先行き見通しが悲観的なものから楽観的なものに変わってきたことで、為替市場でもショートポジションの大きな巻き返しが起きる、ということになりました。
■豪ドルのショートポジション解消で上昇余地拡大か
IMM(国際通貨先物市場)のポジション状況を見ると、ショートポジションの解消のための豪ドル買いが起きていることが見て取れます。
(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)
現状、ポジション調整はかなり進んではきているものの、依然としてポジションはショートであるので、もう少し上昇の余地はあるでしょう。
チャートを見ても、上昇トレンドとなっているのがよくわかります。特に両通貨とも対米ドルを見るとその傾向が鮮明です。豪ドルは、ついに200日移動平均線という長期トレンドのレジスタンスをしっかりと上抜けてきました。
(出所:米国FXCM)
日米欧にはっきりとしたトレンドがない中、短期的にオセアニアに注目が集まってくる可能性は高いと考えておきたいところです。
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