為替介入が入ってからマーケットが膠着してきた
マーケットが動かなくなってきました。原因は為替介入です。
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⇒米ドル/円の160円超えを防ぎたい財務省の意図が見え、介入資金は十分ある。再介入時は絶好の円売りチャンス! 積極財政や低金利などの円安誘導策を介入で止めるのは無理(5月15日、今井雅人)
市場に為替介入が入りだすとその後しばらく、相場が膠着してしまうということがよく起きます。今回もそうした動きになっているということです。
それに加え、中東情勢が不透明であることも相場の膠着要因となっていますので、次に動きだすのは、イラン情勢に新たな展開があったときかもしれません。
ところで、先日、片山財務大臣は「現在の円安は中東の情勢と投機筋によるもの」だと発言していますが、本当にそうでしょうか?
私は、大いに異論があります。
まず、中東情勢が円安の原因なのかという話です。先ほど述べたように、中東情勢つまりイラン情勢が不透明なことが相場を膠着させているので、これが円安要因であるという認識は同意できません。
イランの問題により原油価格が上昇し、それが、世界的なインフレを招き、その結果として各国の長期金利が上昇しています。これは、どちらかといえば株価にはマイナス要因に働きます。そうなると本来はリスクオフから円高になってもおかしくありません。
また、米国の長期金利が上昇しているのが、米ドル高・円安を招いているという意見もありますが、日本を始め、他の国の長期金利も同じように上昇していますので、米ドルだけが強くなるというのは、あまり説明になっていないと思います。
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10兆円規模の米ドル売り・円買い介入が効かない理由
ひとつあるとすれば有事の米ドル買いです。これは確かにあるかもしれません。
しかし、有事の米ドル買いで米ドル高・円安になっているとしても、他のクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)などで円安傾向が続いていることの説明にはなりせん。
2つ目は、投機筋が円売りすることが円安の原因ということです。しかし、これも果たして本当でしょうか?
短期の投機筋が利用しているIMMのポジションを見る限り、円売りポジションが積みあがっている様子はありません。

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)
現在円売りをしているのは、投機筋というより、投資家のほうが多いと思います。また、企業買収などによる直接投資からも円売りが発生しています。
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つまり、現在の円売りは投機的というより、企業や個人の投資行動から発生しているものだということです。だから、日本政府が10兆円に及ぶ米ドル売り・円買い介入をしても、マーケットはそれを飲み込んでしまうのです。
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IMFの設定基準を意識すると頻繁に為替介入はやりにくい
最後に、今後の為替介入について。最近、話題になっているのは、IMF(国際通貨基金)の設定している基準についてです。
IMFは2009年に各国の為替制度の分類を改訂し、為替介入と制度の関連について以下の基準を設けています。
自由変動通貨(自由変動相場制)としては、為替介入は原則として「6カ月間に3回以下」かつ「各回の介入日数が連続3営業日以内」であると、介入が市場の安定化を目的とした一時的なものと見なされます。
ただこれに逸脱したからと言って、自動的に「自由変動相場制」から「変動相場制(その他の管理された相場制度)」へ区分が変更されるわけではありません。
ですから、制度上の制約はありませんが、それでもIMFの定める基準をあまりにかけ離れたことを続けていれば、世界からの信用を失ってしまうということになりかねないということです。財務省の幹部はIMFの基準で何らかの制約があるわけではないと繰り返し述べています。確かにそうなのですが、それでもあまり乱発はしづらいのは間違いありません。
高市政権は米ドル/円が160円を超えていくのを阻止したいと思っているのはおそらく間違いないでしょうが、それでもそれほど頻繁には介入はやりづらいのではないでしょうか。
今後は、イラン情勢の進展、そして、6月に日銀が利上げをするのかどうかという辺りにマーケットの注目が集まってくるでしょう。ただ、中期的には円安が進むという見方は維持しておきます。

(出所:TradingView)
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