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今井雅人の「どうする? どうなる? 日本経済、世界経済」

ドル/円が103円手前で失速した理由とは?
連続利上げのNZドルを豪ドルが追随!?

2014年06月12日(木)17:47公開 (2014年06月12日(木)17:47更新)
今井雅人

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■103円を目前にレンジの中に潜り込んだ米ドル/円…

米ドル/円は、103円の壁を前に失速してしまい、またレンジの中に潜り込んでしまいました。

米ドル/円 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足

 米国の10年物国債の利回りが上昇してきているので、本来であれば、米ドル/円はもう少し米ドル高・円安に向かっても良いはずなのですが、そうならないのには、いくつか要因があるようです。

■GPIF資産運用の見直し発表は2014年秋になる

 まず、1点目はGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)です。GPIFの運用方法の見直しについては、米沢運用委員長が、「政府から要請があれば、(資産運用の見直しについて)2014年8月にも発表する可能性もある」と発言したことで、市場も俄然盛り上がっていました。

 しかし先日、発表が秋になると政府が表明したことで、少し先送りムードになってしまい、株価の上昇が止まってしまったという面があると思います。

日経平均 日足

(出所:株マップ.com

■成長戦略の農業改革は玉虫色に…

 2点目は、成長戦略に関してです。前回のコラムでは、農業改革の話をしましたが、その後、自民党の族議員から強烈な巻戻しがあり、内容がかなり玉虫色に変化してしまいました。

【参考記事】
GPIF運用委員長大胆発言と海外勢の買い?株高の影響で円安トレンド形成の流れへ(6月5日、今井雅人)

 正直がっかりしています。予想はされていたことですが、既得権益を持つ側からの抵抗は相当なものがあったようです。これも市場の期待感を減退させる要因になっていると思っています。

いずれ円安方向に向かうと考えていますが、時期としては少し先になりそうです。

世界の通貨VS円 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 日足

■政策金利3.25%に利上げ! NZドルの金利が魅力的に

 ところで、本日6月12日(木)、ニュージーランドが政策金利を0.25%引き上げ、3.25%としました。

 ニュージーランドは、2.5%という市場最低の金利水準になっていましたが、2014年3月13日(木)に2.75%に、4月24日(木)に3.00%に、そして、今回3.25%にと、段階的に金利を上げてきています。

ニュージーランドの政策金利の推移

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:各国政策金利の推移

 今後も、定期的に利上げが実施されていくのではないかと予想されています。

■政策金利引上げの影響でNZドルは…

 現在、先進国の金利は、限りなくゼロに近い水準になっています。先日ECB(欧州中央銀行)は、中銀預金金利をとうとうマイナスにするという大胆な金融緩和策を決定しました。

 世界中の金利が低い中、NZドルの金利は投資家にとって、徐々に魅力的になってきています。中央銀行がNZドル高に懸念を表明したことで、下落してきた局面もありましたが、政策金利が引上げになってくれば、そちらの影響の方がより大きくなってくると考えています。

NZドル/円 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:NZドル/円 日足

■豪ドル/米ドルは0.92ドルで踏ん張り、再上昇へ

 豪ドルも、NZドルを追随する形になってくると考えています。チャート的に言えば、豪ドルの対米ドルレートが0.92ドルを下回るとセンチメントが悪くなると考えていましたが、何とかここを踏ん張って、また上昇を始めています。

豪ドル/米ドル 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/米ドル 日足

 対円でも、一時96円台にまで回復してきました。

豪ドル/円 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/円 日足

■時間を置いて利上げ期待? 豪ドルにも上昇余地ありか

 先日発表された豪GDPの1-3月期分は、年率で予想3.2%のところ、3.5%と予想以上の結果となっており、景気の堅調さが確認されました。

 政策金利は、現在2.5%でニュージーランドに溝をあけられてきてはいますが、少し時間を置いて豪ドルにも利上げ期待が出てくると考えています。そうなれば、また豪ドルに上昇の余地が出てくるのではないでしょうか。

■ユーロ/米ドルは1.35ドル前後が目安か

 最後にユーロですが、ECBによる追加金融緩和もあり、対米ドルを中心にユーロ安が進行してきました。

 しかし、1年間ほどのチャートを確認すれば、1.35ドル前後のところが、1つの節目になっているので、いったん、この動きも落ち着いてくるのではないかと考えておきたいと思います。

ユーロ/米ドル 週足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 週足


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