■103円を目前にレンジの中に潜り込んだ米ドル/円…
米ドル/円は、103円の壁を前に失速してしまい、またレンジの中に潜り込んでしまいました。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
米国の10年物国債の利回りが上昇してきているので、本来であれば、米ドル/円はもう少し米ドル高・円安に向かっても良いはずなのですが、そうならないのには、いくつか要因があるようです。
■GPIF資産運用の見直し発表は2014年秋になる
まず、1点目はGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)です。GPIFの運用方法の見直しについては、米沢運用委員長が、「政府から要請があれば、(資産運用の見直しについて)2014年8月にも発表する可能性もある」と発言したことで、市場も俄然盛り上がっていました。
しかし先日、発表が秋になると政府が表明したことで、少し先送りムードになってしまい、株価の上昇が止まってしまったという面があると思います。
(出所:株マップ.com)
■成長戦略の農業改革は玉虫色に…
2点目は、成長戦略に関してです。前回のコラムでは、農業改革の話をしましたが、その後、自民党の族議員から強烈な巻戻しがあり、内容がかなり玉虫色に変化してしまいました。
【参考記事】
●GPIF運用委員長大胆発言と海外勢の買い?株高の影響で円安トレンド形成の流れへ(6月5日、今井雅人)
正直がっかりしています。予想はされていたことですが、既得権益を持つ側からの抵抗は相当なものがあったようです。これも市場の期待感を減退させる要因になっていると思っています。
いずれ円安方向に向かうと考えていますが、時期としては少し先になりそうです。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 日足)
■政策金利3.25%に利上げ! NZドルの金利が魅力的に
ところで、本日6月12日(木)、ニュージーランドが政策金利を0.25%引き上げ、3.25%としました。
ニュージーランドは、2.5%という市場最低の金利水準になっていましたが、2014年3月13日(木)に2.75%に、4月24日(木)に3.00%に、そして、今回3.25%にと、段階的に金利を上げてきています。
(詳しくはこちら → 経済指標/金利:各国政策金利の推移)
今後も、定期的に利上げが実施されていくのではないかと予想されています。
■政策金利引上げの影響でNZドルは…
現在、先進国の金利は、限りなくゼロに近い水準になっています。先日ECB(欧州中央銀行)は、中銀預金金利をとうとうマイナスにするという大胆な金融緩和策を決定しました。
世界中の金利が低い中、NZドルの金利は投資家にとって、徐々に魅力的になってきています。中央銀行がNZドル高に懸念を表明したことで、下落してきた局面もありましたが、政策金利が引上げになってくれば、そちらの影響の方がより大きくなってくると考えています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:NZドル/円 日足)
豪ドルも、NZドルを追随する形に…
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