■FOMCの金利予測で長期の水準が下方修正された理由
今週、6月17日(火)~18日(水)、米国ではFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催されました。そこで、将来の金利予測が出されていましたので、まずはそれからご紹介しましょう。
声明文と同時に公表された「経済・金利見通し」では、FOMC参加者の大半は、2014年末までの金利については、据え置きというこれまでの予想を維持しています。
FFレートに関しては、2015年末が1.13%、2016年末は2.5%と予想しています。2014年3月時点では、2015年末は1%、2016年末は2.25%となっていましたので、どちらも上方修正しています。
一方、長期的に到達すると見込まれる政策金利の中立水準については、3.75%と3月時点での4%から0.25%下方修正しています。
ちょっとわかりにくい変更ですが、ここから1~2年は、景気は思ったより良いが、それから先は、今まで予想していたほど伸びないかもしれないという認識を示したかったのだと思います。
■内容だけみるとプラスでもマイナスでもないが…
この内容だけ見れば、市場にとってプラスでもマイナスでもないと思うのですが、長期的な見方を下方修正したところだけ切り取って、少し米ドル安、株高という反応をしているようです。
しかし、私自身は少し違和感があります。

(出所:米国FXCM)

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 1時間足)
■米ドル/円は、長期戦を覚悟した方が良さそう…
その他、特段目立った材料はないのですが、前回のコラムで予想した各通貨について、少し検証をしてみようと思います。
【参考記事】
●ドル/円が103円手前で失速した理由とは?連続利上げのNZドルを豪ドルが追随!?(6月12日、今井雅人)
まず、米ドル/円ですが、案の定というか、完全に従来のレンジに戻ってしまいました。これは、今後もなかなか方向感が出てきそうな感じはしません。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
最終的には、円安に向かうという見方は変わってはいませんが、長期戦を覚悟しておいた方が良さそうです。下がったら買い、上がったら売りの姿勢を続ける時期ではないでしょうか。
■ユーロ/米ドルは1.35ドルが下限のメド! なべ底形成中か
ユーロ/米ドルですが、1.3500ドルが下限のメドではないかと申し上げましたが、ここまでそのような動きになってきています。
チャートを見ると、少しラウンディング(なべ底)を形成して、底値固めをしているようにも見えます。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)
■オセアニア通貨は堅調! 金額絞って長期保有を続けたい
オセアニア通貨は、豪ドル、NZドルともに順調です。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/円 日足)

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:NZドル/円 日足)
この1週間だけを見れば、特に対円レートはもみ合いに入っていますが、高値圏でのもみ合いでありますから、基本的に強いといって良いのではないでしょうか。
以前ほど金利差(スワップ)は稼げませんが、それでも一定の金利は取れるので、「金額を絞って長期保有する」という、今、私がやっているやり方を続けていきたいと思っています。
さらに最近、オセアニア通貨建ての日本人投資家向け商品に少し人気が出てきているので、それが相場を押し上げることも、少し期待をしておきたいと思います。だいたいそんなところでしょうか。
■株価を公的マネーで吊り上げ? 官製相場第2章になるか
最後になりますが、現在どうやら政府官邸のほうからGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)に、ポートフォリオにおける株の比率を先行して引き上げるよう、かなりのプレッシャーがかかっているという話を聞いています。
そして、今後は郵政マネーにも同じような圧力(つまり、国債を売って国内株式を買う)をかけてくるのではないかという見方が広がっています。
そうなると株価を公的マネーで吊り上げる、いわゆる官製相場の第2幕が見られることになるかもしれませんので、こちらの動きにも注目をしておきたいと思います。
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