■海外ヘッジファンドは日本にポジティブな印象
今回はまず、この話題から始めることにしましょう。
一部の報道でご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、ここのところ、海外のヘッジファンドやその他の機関投資家が相次いで来日しています。日本では、財務省、日銀などの金融当局や市場関係者などとの面談をこなしているようです。
全体的には、日本に対して再評価してポジティブな印象を持ったようです。
■日本の株価上昇要因はGPIFと海外投資家か
2週間あまりで、日本の株価が上昇してきているのは、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)などの日本の機関投資家が買っているという観測もありますが、海外勢も再び買い始めていることが原因ではないかというのが、市場関係者からの声です。
(出所:株マップ.com)
■海外投資家が日本株への投資に前向きになった理由
彼らが、再び日本株への投資に前向きになった理由はいくつかあると思いますが、大きく言って次の3点ではないかと思っています。
(1)消費税の引き上げから2カ月が経過したが、駆け込み需要の反動が思ったより少なかったこと
最近の経済指標を見ていると、確かに百貨店などの売り上げが落込んではいますが、想定の範囲内であり、2014年7月ぐらいからは、景気の拡大が期待できるのではないかという見方が広がったことが挙げられます。
(2)安倍政権が改革推進のため、今まで切り込めなかった既得権益へメスを入れようとしていること
特に農協の解体につながるような農業改革案が政府の規制改革会議で提言としてまとめられたことは、非常に画期的なことです。もし、この案を全部やりきることができれば、安倍政権の改革に対する真剣度が評価されることになってくるということだと思います。
■GPIF委員長が大胆発言! 日本株の比率20%に引上げか
(3)GPIFの今後の動向
GPIFの米沢運用委員長が先日このような発言をしています。「政府から要請があれば(資産運用の見直しについて)8月に発表する可能性もある」、「現在12%としている日本株の基本比率は、20%というのも高すぎるハードルではないかもしれない」というもの。
これは、なかなか踏込んだ発言です。
出所:GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)
これまで市場では、GPIFのポートフォリオの見直しは、秋ぐらいになるのではないかとの見方が大半でした。しかし、今回8月という具体的な時期に言及したということは大きな意味があると思われます。
また、日本株の基本比率に関しても、具体的な数字を口にしたということで、これも非常に大胆な発言です。
GPIFの運用資産は、2013年末時点で128兆6000億円。日本株の基本比率を12%から20%に、8%引上げるということになれば、10兆円以上の資金が日本の株式市場に流れ込むということになってきます。
実際は、2013年末時点ですでに日本株の比率は、17.22%にまで増えており、先に買ってしまったので影響はないとの意見もありますが、実はそうではありません。基本比率はあくまでも中心値ということを考えれば、実際は20%以上に増える余地が十分あるということですから、買い材料になるわけです。
ちなみに2013年末時点でのポートフォリアは以下のとおりです。
出所:GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)
さて、株価が上昇するということは…
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