■年金の断続的な買いをきっかけに日経平均は節目突破!
みなさん、こんにちは。
6月に入り日経平均は大きく反発。

(出所:株マップ.com)
テクニカルな節目となる、2013年12月30日高値1万6320.22円から2014年4月11日安値1万3885.11円の50%(半値)戻しである1万5100円を超えるのに時間を要していましたが、今週(6月16日~)、そのレジスタンスを突破しています。
前コラムでご紹介したとおり、6月に入って年金が日本株を断続的に買っているのがきっかけ。
【参考記事】
●異例の低ボラティリティが続くドル/円より、注目は250pipsも急落したユーロ/豪ドル!
加えて、本日、6月19日(木)は欧米勢も日経平均の買いに参入。
本稿執筆時点で、日経平均は227円高の1万5343円と久々の1万5300円台を回復しています。
次の目標は、同じく61.8%戻しの1万5390円。
■海外勢のヘッジとしての米ドル/円買いは鳴りを潜めた
昨年、2013年までのマーケットの流れで相場を組み立てると、日経平均の反発に連動して、米ドル/円も上値追いを期待したいところですが、依然として102.00円レベルで膠着。

(出所:米国FXCM)
これは海外勢の動向に少し変化が見られるため。
海外勢の日本株買いは復活しつつありますが、昨年2013年と違い、彼らは「日本株買い」はしても、そのヘッジとしての米ドル/円の買いという取引は鳴りを潜めているのです。
つまり、以前のような「日本株と米ドル/円」の相関関係が切れてきていることになります。
ただ、本邦の機関投資家が日本株の買いに続いて、海外への投資を始めれば、結局、円安要因となるため、米ドル/円の下落も限定的。

(出所:米国FXCM)
結果、株ほどのボラティリティはないものの、米ドル/円もレンジ圏での上下を繰り返し、次第に底固めし、時間をかけて上昇してくる可能性が濃厚です。
■米ドルよりもユーロキャリー取引が相場の中心!
主要通貨全般に目を向けると、現時点では、おおまかに「利上げグループ」と「緩和グループ」に分けて考える必要があります。
つまり、予想よりも利上げが早そうな英ポンド、すでに利上げを開始したNZドル、来年、2015年にも利上げの可能性が示唆されている豪ドルが「利上げグループ」=買い通貨。
そして、今後も緩和が続くユーロと円が「緩和グループ」=売り通貨となります。
米ドルはどちらかといえば利上げグループですが、市場はその利上げを先物市場ではかなり織り込んでいます。加えて、本日、6月19日(木)日本時間未明のFOMCでは、ややハト派的な印象をマーケットに与えたため、総じて米ドル売りの展開。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 1時間足)
FOMCのハト派のイメージは株にとっては優しい政策となり、株の上昇は旧来のリスクオン相場に戻るため、米ドルは中期では買い、短期では英ポンドや豪ドルに対して売りという展開になっています。
この意味においては、前コラムのユーロキャリー取引が依然としてマーケットの中心。
【参考記事】
●異例の低ボラティリティが続くドル/円より、注目は250pipsも急落したユーロ/豪ドル!
ただ、その最右翼だったユーロ/豪ドルは、短期では下記の報道による豪ドルにとっては特殊要因が飛び出し、下落の勢いが弱っています。

(出所:米国FXCM)
シェル、豪ウッドサイド株の大半を売却
英蘭系メジャー(国際石油資本)のロイヤル・ダッチ・シェルは、保有する豪ウッドサイド・ペトロリアム株の大半を61億豪ドル(約5800億円)で売却する。減益にあえぐシェルは資産売却を進めている。
両社はそれぞれ17日付の発表文で、シェルが向こう24時間で豪石油業界2位のウッドサイトの株式19%を売却することを明らかにした。半分は機関投資家に売却し、もう半分はウッドサイドが買い戻す。この取引でシェルの持ち株比率は4.1%に低下する。
シェルのベン・バン・ブールデン最高経営責任者(CEO)は発表文で「今日の発表はシェルの資本効率を高め、豪州での成長の焦点を直接保有資産に絞る取り組みの一環だ」と述べた。
シェルは大型・長期事業の費用が大きく膨らむ中、米国での天然ガスの値下がりに利益をむしばまれている。今年1-3月期(第1四半期)決算は44%の減益だった。アジアと欧州の製油所に関わる減損費用が響いた。
シェルは豪州での天然ガス事業に巨費を投じている。同社は西オーストラリア州のガス輸出プロジェクト「ノースウエスト・シェルフ」と、合弁事業の「ゴーゴン」と「プレリュード」について多大な権益を保有している。また、中国石油天然気(ペトロチャイナ)とのクイーンズランド州の非在来型ガス合弁事業にも関わっている。
豪当局は2001年、国益を理由にシェルによるウッドサイドの完全買収を阻止した。シェルは10年に大量のウッドサイド株を売却した。シェルがその際、残りの持ち分も長期保有しない意向を示していたため、投資家は前々から保有株の放出を予想していた。
(出所:Wall Street Journal)
この報道は豪ドル安を誘因しやすく、短期的にはユーロ/豪ドルの下落を抑制しています。
ただ、中期でのユーロ/豪ドルの流れは変わらず。

(出所:米国FXCM)
結果、ユーロキャリー(緩和のユーロ売り)であれば、ユーロ/英ポンドやユーロ/NZドル、加えて円キャリー(緩和の円売り)のクロス円であれば、英ポンド/円が有効でしょうか?
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