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西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

米ドル/円は片山シーリングの160円に向けてじり高に。スイスの関税が35%から15%に引き下げられる可能性が浮上。最強通貨スイスフラン/円はついに200円が視野に!

2025年11月13日(木)15:06公開 (2025年11月13日(木)15:06更新)
西原宏一

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米ドル/円は154.50円や155.00円を上抜け、片山シーリングの160円に向けてじり高に。丁寧に押し目買い継続

 みなさん、こんにちは。

 先週(11月3日~)は、パランティア(Palantir)株暴落をきっかけに米国株と日経平均が一時急落、為替市場も一時リスクオフへ。

 ただ、米ドル/円の下げは153.00円割れまでと限定的でした。

先週のコラムでは、この米ドル/円の下げ幅が限定的だったことが、今週(11月10日~)の相場のヒントになりそうなことをご紹介させていただきましたが、実際に今週の米ドル/円はじり高に。

【※関連記事はこちら!】
米ドル/円は押し目買い継続! 155円超えは簡単でないが、米ドル買い遅れ組も多い。日経平均2000円超安のきっかけとなったパランティア株と、マイケル・バリーとは?(11月6日、西原宏一)

 高市政権が経済財政諮問会議にリフレ派を起用(前日銀副総裁の若田部昌澄・早稲田大教授、新民間議員)したことで、日銀の早期利上げ観測が一段と後退したこともあり、過去1カ月ブレイクできなかった154.50円を11月12日(水)の欧米市場でついに突破。

 直近のレジスタンスである155.00円も一時ブレイクしています(本稿執筆時点までの高値は155.04円)

 先週も大きな押し目がなかったため、国内輸入企業は米ドルの手当てがかなり遅れています。彼らの米ドル買い注文のレベルがじわじわと上げられているため、一部報道で「片山シーリング」と称されている155.00〜156.00円は、早晩突破するのではないかと想定しています。

 一方、高市総裁が誕生してあっという間に9円近く暴騰。160.00円は、高市内閣もかなり気にしている水準であり、到達するスピードによっては政府・日銀による米ドル売り介入の可能性が急速に高まるため、私は「片山シーリング」は160〜162円だと想定しています。

 よって、米ドル/円に関しては、高値掴みは厳禁で、丁寧に押し目買いを継続します。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

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対スイスの米国関税が35%から15%に引き下げか。最強通貨ペアのスイスフラン/円はついに200円が視野に。SNBの介入には警戒

 そして、米ドル/円よりもさらに円安が進んでいる通貨ペアがあります。それはスイスフラン/円です。

過去のコラムで、米国はスイスに39%という驚愕の関税をかけたことをご紹介しました。以下はその抜粋です。

【※関連記事はこちら!】
米ドル/円は当面145~151円で方向感のないレンジか。最強通貨スイスフランに暗雲。39%関税に加え、医薬品への衝撃的な関税の可能性、SNBによる利下げの公算が高まる(8月7日、西原宏一)


スイスの建国記念日を襲った39%関税の衝撃、最強通貨スイスフランに暗雲
先週金曜日(8月1日)はスイスの建国記念日でした。
スイスはすでに工業製品の関税を廃止し、米国に数十億ドルの投資を約束していたため、米国との関税交渉は友好的なものになると期待されていました。
しかし、建国記念日の祝賀ムードの最中、突如として39%という高率の関税が発表され、スイス国内では責任のなすり合いが激化しています。
特に、カリン・ケラー・ズッター大統領は、トランプ政権と締結できたと信じていた貿易協定に重大な誤算があったと非難されています。


 この39%関税の前では、さすがの最強通貨スイスフランもいったん反落するだろうと想定していました。

 ところが、この39%という関税が報道されてもスイスフランは大きく下げません。それどころか、じわじわと反発し、再びこのコラムのターゲットである200円に向けじり高に推移し始めていました。

 そこに届いたのが「スイスが米国関税15%への引き下げ交渉を進めている」というニュース

 FT(フィナンシャルタイムズ)の報道によれば、「スイスが米国から課せられた39%の懲罰的関税を15%程度まで引き下げる交渉で前進。政府の外交が行き詰まる中、ロレックスやリシュモン(※)などの企業トップがホワイトハウスで直接交渉し、突破口を開いた」としています。

(※リシュモン(Richemont)とは、スイスに本拠を置く高級コングロマリットのこと。カルティエ、ヴァン クリーフ&アーペル、IWC、ジャガー・ルクルト、パネライ、ピアジェなどの高級時計・ジュエリーブランドを保有)

 スイス政府とトランプ大統領の関税交渉が決裂し、39%という数字で行き詰まっていたところ、ロレックスなどの民間企業が突破口を開いたところが素晴らしい。11月初旬にホワイトハウスでトランプ大統領と会談したスイス企業は以下の通りです。


ロレックス(時計メーカー)CEO: ジャン・フレデリック・デュフール氏
リシュモン(カルティエの親会社)会長: ヨハン・ルパート氏
マーキュリア(商品トレーダー)
パートナーズ・グループ(プライベートエクイティ)共同創設者: アルフレッド・ガントナー氏
MSC(海運会社)
MKS PAMP(精錬会社)マルワーン・シャカーチ氏


 この会談は、米国がスイス製品に課した、先進国でもっとも高い39%の懲罰的関税を引き下げるための交渉の一環として行われました。

 会談では、両国間の強固な経済協力関係と、スイス企業の米国への貢献が強調されました。その結果、EU(欧州連合)向け関税と同水準の15%への引き下げで合意に近づいています。

 トランプ大統領は会談後、自身が立ち上げたソーシャルメディア「Truth Social」で「スイスのハイレベル代表者と会えたことは大いなる名誉だった」ともコメントしています。

 同時に、彼らは次のようなコメントもトランプ大統領から引き出しています。

「スイスを支援するために何か取り組む」
「現在、スイスからの輸入品には39%の高関税が課されている(金は除外)」
「スイスには厳しい関税をかけてきたが、スイスには成功し続けてほしい」

 39%から15%に関税が引き下げられることになれば、スイス経済にとって極めてポジティブなニュース。

 この結果を受け、今週のスイスフランの上昇は際立っています。本稿執筆時点では194.00円も突破しつつあり、当コラムのターゲットである200円という目標が視野に入ってきました。

警戒すべきは、ユーロ/スイスフランにおけるSNB(スイス国立銀行[スイスの中央銀行])の介入

 米ドル/スイスフランでは、米国の目が気になり介入しづらいですが、ユーロ/スイスフランが0.9200スイスフランを割り込んでくると、SNBが対ユーロでスイスフラン売り介入してくる可能性が高まるので警戒です。

ユーロ/スイスフラン 週足
ユーロ/スイスフラン 週足チャート

(出所:TradingView

 米ドル/円は最初のターゲットである155.00円を一時ブレイクし、片山シーリングである160円に向けじり高に推移。

 スイスの企業トップがホワイトハウスで直接交渉し、15%への関税引き下げに突破口を開いたことで、最強通貨ペアであるスイスフラン/円が200円に向け上昇再開。

 日本では160円に向けじり高に推移する米/ドル円が取り上げられますが、大台の200円が視野に入り、グローバルに注目が高まっているスイスフラン/円にも注目です。

スイスフラン/円 日足
スイスフラン/円 日足チャート

(出所:TradingView


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