■GPIFによる株買い・円売りが継続
次に国内の事情ですが、当コラムでも何度もお話をしているとおり、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の株買い・円売りというのが継続的に出てきています。
【参考記事】
●日本国債格下げで、なぜ一時、円高に?海外勢中心に米ドル買い相場は継続!(12月4日、今井雅人)
●アベノミクスに将来的な副作用の可能性!?それでも今は株高・円安に乗るのが王道か(11月27日、今井雅人)
●制御不能のパニック円安で1ドル=140円の予想も!?円安止まらなければ円買い介入か(11月20日、今井雅人)
日銀の統計などを見てみると、「3カ月で2兆円程度の円売りをしているようだ」と推測することができます。
そのペースで考えると、10月31日(金)に見直した基本ポートフォリオの中心値まで外貨建て資産の比率を上げるには、まだ半年ほどかかるのではないかと思われます。
【参考記事】
●金融市場に衝撃が走った3つの要因とは?ドル/円は年内に120円まで上昇の可能性(11月6日、今井雅人)
その間、今のように継続的に円売りが出てくるわけですので、円安方向に向かう可能性が高くなってくるのは、当然のことだということがわかると思います。
■黒田総裁は、さらなる金融緩和に踏み切る可能性も
もう1点は、日銀による金融緩和です。
日銀は、10月31日(金)にサプライズ的な追加金融緩和を決定しました。これは、消費税増税分を除いたところで消費者物価指数が、年率2%程度上昇するように…という目標を達成するために行われた措置です。
しかし、現在、原油の国際価格が急落していることの影響もあって、依然、この目標を達成できるかが不透明な状態です。
(出所:米国FXCM)
黒田総裁はすでに、「目標を達成するためには、あらゆる手段を講じる」と発言していますので、状況によっては、2015年、さらなる金融緩和を行ってくるかもしれません。
そうなれば、当然また円安が進むことになるでしょう。
もちろん、市場は生き物ですので、不測の事態が発生して状況が一変してしまう可能性もありますが、現在の環境を参考にして考えれば、以上のように考えるのが妥当ではないかと思っています。
■米ドル/円のチャート上の最終目標は135.20円!
ちなみに、米ドル/円を例に出して考えてみると、当面は、2007年6月の高値124.14円が1つの目標になってくるのではないでしょうか。
そして、その次の目標は、2002年12月の高値125.73円、最終的には2002年1月の高値135.20円がチャート上の目標値です。
(出所:米国FXCM)
しかし、125円を超えてくると少し政治サイドから圧力もかかってくるかもしれませんので、そのときはまだ状況を見て、判断をしていきたいと思います。
それでは、みなさん、良いお年を。
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