■ロシア経済への打撃がユーロ下落要因に
先日、米国の大手格付け会社S&Pがロシアの格付けを「BBB-」から「BB+」、いわゆる「投機的水準」に格下げをしました。
これを受けてロシアの株式市場は暴落し、ルーブルも下落しています。
(出所:CQG)
原油価格の急落がロシアの経済に打撃を与えているというのが大きな理由だと思いますが、その原油価格も、とても反転するような気配がありません。
(出所:米国FXCM)
むしろ、最大の産油国であるサウジアラビアからも1バレル=20米ドルの可能性を示唆するような発言も出てきています。
そうなると、ますますロシア経済には打撃となる可能性が高いと思います。これもユーロの下落要因になってくる、と私は考えています。
■2015年半ばまでにFOMCは利上げ開始へ
さて、1月27日(水)~1月28日(木)には、FOMC(米連邦公開市場委員会)が開催されました。
終了後には声明文が出されていますが、ポイントは2つ。
1つは、米国の経済に対する見方をやや上方修正したことです。今回は、成長のペースについて、前回の「緩やかな(moderate)ペース」から「堅調な(solid)ペースで」という表現に変更されています。
もう1つは、利上げの時期についてです。
これに関しては、従来どおり、フォワードガイダンスとして「金利の正常化に対して辛抱強く(patient)」という表現になっていますが、前回声明文の中に残されていた「相当な期間(considerable time)FF金利を据え置く」という文言を完全に削除した上で、その後に状況が変われば、利上げが早まるというニュアンスの表現が添えられています。
【参考記事】
●2015年の米ドル/円最終目標は135.20円!?さらなる株高・円安が進むとみる理由は?(2014年12月25日、今井雅人)
逆に政策変更に際して考慮するべきものとして「国際情勢(international developments)」が追加されてはいるものの、こうした表現を見る限り、2015年の半ばまでにはFOMCは利上げを開始するのではないかという見方が、ますます強くなったということができると思います。
これは、米ドルにとっては、ややプラスという程度の影響ではなかったかと考えています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 1時間足)
ただ、逆に言えば、米ドル安方向に反転するリスクは弱まったということも言えるのではないでしょうか。
■米ドル/円は下がったところをしっかり拾っていくこと
米ドル/円に関して言えば、現在117円台前半から118円台後半でのレンジ相場に入り込んでいますが、下に下がると日本の公的年金などがしっかりと買ってくることもあり、117円を大きく割り込んで落ちるようなことはおそらくないのではないかと思っています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
ただ、現状では上昇していくにも材料不足であるので、下がったところをしっかり拾っていくというトレードを心がけておきたいと思います。
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