■ECBの量的緩和策は期間がポイントだった
前回のコラムを書いた後、ECB(欧州中央銀行)の量的緩和政策が発表されました。
【参考記事】
●スイス中銀決断の背景にECBの緩和策。ドル/円下落局面終了。ユーロ売り継続!(1月22日、今井雅人)
内容は、月額600億ユーロの量的緩和(各国国債と民間債券の資産買取り)を実施するというものです。期間は、2015年3月から2016年9月までの間か、あるいは消費者物価指数が2%に達する見通しがついたときまでということになっています。
だいたい事前に言われていたような内容となりましたが、期間が少し長かったという点がポイントだったと思います。この発表を受けて、ユーロはさらなる下落となりました。
■ECBの量的緩和、ギリシャ総選挙でユーロはさらに下落
その後、週末の1月25日(日)にはギリシャの総選挙が実施され、緊縮財政反対派の野党である急進左派連合が勝利。単独で過半数を獲得することはできなかったものの、政権を握ることが確実になりました。
翌日1月26日(月)には、ユーロはさらに下落し、ユーロ/円は一時130円台前半、ユーロ/米ドルも1.10ドル台後半にまで下落しました。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 4時間足)
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■SNBの介入もユーロ調整を後押ししたが、下落傾向は継続
しかし、その後は、いったん大きなイベントが終わり、これからしばらく新規のネタもなさそうだということで、相場は一転。ユーロは対米ドル、対円ともに上昇しました。
それまでのユーロの下落スピードがあまりにも速かったこともあって、こうした調整が起きたということだと思います。
さらに、ユーロ/スイスフランの下限レートである1.2000スイスフランを撤廃して大混乱を引き起こしたSNB(スイス国立銀行[スイスの中央銀行])が、今週(1月26日~)に入ってから、連日ユーロ買い・スイスフラン売り介入を実施していたことも、買い戻しを後押ししたようです。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/スイスフラン 4時間足)
しかし、ギリシャの問題はこれから本格化してくることになるでしょうし、ユーロ圏の金融緩和も2015年3月から実際に開始されるわけですので、中期的にはユーロの下落傾向は継続すると考えています。
【参考記事】
●スイス中銀決断の背景にECBの緩和策。ドル/円下落局面終了。ユーロ売り継続!(1月22日、今井雅人)
●2015年の最有望戦略はユーロ/ドル売り!パリティ(1ユーロ=1ドル)まで下落もあり!(1月8日、今井雅人)
先日、米国の大手格付け会社…
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