■突如、中国人民銀行が中国人民元を切り下げ
みなさん、こんにちは。
今週(8月10日~)のサプライズは中国人民銀行[中国の中央銀行]が、8月11日、12日と2日連続で、合計で3.5%もの実質的な中国人民元の切り下げを行ったこと。
本日(8月13日)も1.1%の人民元安を容認。結果、わずか3日間で中国人民元は4.6%の切り下げ。

(出所:CQG)
市場では、10%の人民元安容認とのウワサも出始め、世界的に株価は下落。
8月12日(水)の日経平均先物は2万円近くまで急落。呼応して、米ドル/円は、一時、123.79円まで下落しました。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
ただ、NDF(※)市場では、すでに8%近い人民元安進行を織り込みつつあります。
(※編集部注:「NDF」はノン・デリバラブル・フォワードの略。ざっくり言うと、特殊な先物取引のようなもの)

(出所:CQG)
前述のように、中国当局が約10%の人民元安を容認するとの観測もありますが、すでに、さらなる人民元安もマーケットはかなり織り込んだと言えます。
■日銀の追加緩和で人民元切り下げを相殺?
今回の中国人民元ショックに対し、浜田宏一・内閣官房参与がすかさずコメント。
日本は金融緩和で人民元切り下げの相殺可能
内閣官房参与の浜田宏一・米エール大名誉教授は、中国の人民元切り下げについて、日本は金融緩和で相殺することができるため、懸念する必要はないとの見方を示した。
浜田氏は13日、ブルームバーグの問い合わせに対し英文電子メールで回答し、日本の外需に過大な影響が出るようならば、日本銀行が追加緩和する可能性もあると述べた。
出所:Bloomberg
中国人民元切り下げがマーケットに与えたショックを和らげるためのコメントですが、逆にマーケットに負荷がかかれば、日銀の追加緩和の可能性があることを示唆しています。

内閣官房参与の浜田宏一氏は、中国人民元ショックは日銀の追加緩和で相殺できるので、懸念する必要はないとの見方を示している。
写真:ロイター/アフロ
直近、原油がじわじわ下落しており、日本とユーロ圏にデフレ圧力がかかっている状況。
【参考記事】
●米国株は不調でも日本株はなぜ強いのか? 原油安が日銀やECBの追加緩和圧力に(8月11日、西原宏一&松崎美子)

(出所:米国FXCM)
この浜田内閣参与のコメントは、可能性が低いといえども、仮にマーケットに強い負荷がかかれば、日本銀行が追加緩和に出る可能性があることを想起させるコメントです。
■お盆前後から、公的年金の資金が日本株に流入
今回の中国人民元ショックで、日経平均は過去2日間(8月11日、12日)大幅に下落。

(出所:株マップ.com)
ただ、注意すべきは8月12日(火)の空売り比率が39.2%と過去最高だったこと。
これにより、本日(8月13日)の日経平均は本稿執筆時点で2万500円と急反発。
米ドル/円も124円台ミドルで推移しており、中国人民元ショックは沈静化しています。
昨年(2014年)は日本のお盆明けから日本株、米ドル/円ともに上昇しましたが、今年(2015年)も、お盆前後から公的年金の資金が日本株に流入すると言われています。

(出所:株マップ.com)
多くの欧米系のファンドも、今年(2015年)の業績が好調な日本株の組み入れ比率を上げると言われています。
そして、今年(2015年)の円ベースの日本株パフォーマンスは19%。これが米ドルベースでは14.1%までに落ちます。
結果、米系からの日本株への投資は、タイムラグはあるものの、ヘッジ(米ドル買い・円売り)(※)は必要。
(※編集部注:日本株を単純に買うだけでなく、同時に円売りを行って、円安に対するヘッジをかけようとすることを指している)
【参考記事】
●米国株は不調でも日本株はなぜ強いのか? 原油安が日銀やECBの追加緩和圧力に(8月11日、西原宏一&松崎美子)
つまり、「日本株高=米ドル高・円安」基調は変わらず。
■メイントレンド回帰の米ドル/円は128円へ向けて上昇濃厚
ここまで、ギリシャ債務問題、上海株急落、そして、中国人民元切り下げショックとマーケットに強い負荷がかかっているものの、日本株、そして、米ドル/円の下落は限定的となっています。
昨年(2014年)同様、8月に入って底堅さを見せてきた米ドル/円は、メイントレンドの上昇基調に戻り、128円に向けて上昇する可能性が濃厚。

(出所:米国FXCM)
8月中旬からの日本株、そして、米ドル/円に注目です。
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