■米ドル/円の連騰を演出しているのは誰?
果たして、この米ドル/円の連騰は誰が演出しているのでしょうか?
私は正直に言って、まったく理解できません。
市場では、連日、NY時間に相当額の買いが観測されていますが、米系のヘッジファンドが中心となった買い上げだという声も多く聞かれています。
ヘッジファンドといえば、通常は11月が決算。トランプ次期米大統領が選出されて以来、米長期債の主要な売り手とも言われています。そうであれば、ここまでの動きは、純粋にファンド勢の決算を前にしたポジション調整の動きと解釈するほかないでしょう。
米国債の買い持ちはかなりの額であるほか、先週末に公表されたIMM(国際通貨先物市場)通貨先物のポジション動向を見ても、米大統領選から1週間が経過した11月15日(火)付けの数字が、まだまだ円ロングであることを示しています。
(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)
11月末まで、まだ1週間残されていますが、それまではこういった海外勢主体のポジション調整の動きが続く可能性が高いのかもしれません。
■感謝祭明けは、市場の雰囲気が一変してしまうかも
ただ、気を付けておかなければならないのは、こういった海外勢のまとまった買いが止まる時です。
11月23日(水)も、「感謝祭前に、一度は下押しする場面もあるかもしれない」と認識していた向きが多かったのですが、実際は「感謝祭前に買わなければならない玉が出た」ことになっているのが実情です。
感謝祭明けの市場、つまり来週(11月28日~)からの市場が、休日前とは雰囲気が一転して変化してしまうということも、可能性として準備しておかなければならないと考えています。
なお、米ドル/円のチャート上では、3月29日(火)の高値113.803円や2月16日(火)の高値114.877円、または1月20日(水)の安値115.972円あたりが、目先上値のメドとして意識されています。引き続き、注目しましょう。
(出所:ヒロセ通商)
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