■トランプ氏当選と米ドル/円上昇を的中させた人物とは?
このように、トランプ氏当選、その後の強烈なリスクオン相場と予想外の出来事が続いたわけだが、実は、ザイFX!編集部が取材した専門家の中に、トランプ氏当選で「米ドル高」とズバリ的中させていた人がいる。
それがフィスコNYのアナリスト、平松京子氏。
【参考記事】
●フィスコNY・平松京子さんに聞く(1)NYから情報配信! フィスコNYって?
平松氏といえば、テレビ東京の「ニュースモーニングサテライト」や日経CNBCの「夜エクスプレス」にも出演しているので、ご存知の人もいるかもしれない。
その平松氏に、ザイFX!編集部が取材したのが6月8日(水)。トランプ氏とヒラリー氏が米大統領候補者と正式に決まるおよそ1カ月前のことだった。
ここで平松氏はレーガン元大統領を引き合いに出し、トランプ氏が米大統領になった場合、偉業を成し遂げる可能性があるとしたほか、トランプ大統領誕生は景気にとってプラスに働くと指摘。
またトランプ氏、ヒラリー氏のどちらが米大統領になっても、リスクオンの「米ドル高」につながっていくとの見通しを示していた。詳しくは以下の記事をご覧ください。
【参考記事】
●フィスコNY・平松京子さんに聞く(2)トランプ大統領誕生なら米ドルは上がる?
■9月上旬からドル/円の上昇トレンド転換を示唆していた!
そしてもうひとり、米大統領選挙前から米ドル/円上昇を予想し、見事に的中させたのが、「西原宏一のヘッジファンドの思惑」やメルマガ「ザイFX!×西原宏一 FXトレード戦略指令!」でもおなじみの元ディーラー、西原宏一氏だ。
西原氏は、9月上旬から早くも米ドル/円の上昇トレンド転換を示唆し始めていた。
【参考記事】
●“上海合意”は破棄とマーケットは認識。米利上げ観測&日銀追加緩和観測高まる!(9月1日、西原宏一)
そして10月下旬以降、トランプ氏がヒラリー氏を支持率で追い上げていると報じられても、一貫して米ドル/円上昇の見方を変えることはなかった。
【参考記事】
●日銀決定はテーパリングへの道?それともヘリマネ? 米ドル/円は底固め後、反発へ(9月29日、西原宏一)
メルマガ「ザイFX!×西原宏一 FXトレード戦略指令!」で、自身のトレードやポジションを公開している西原氏だが、以下の【参考記事】では米大統領選挙で乱高下する米ドル/円相場において、大底で買って高値で売るという、見事なトレードを披露してくれている。こちらもご参考に。
【参考記事】
●波乱の「トランプ為替乱高下相場」で西原氏がドル/円を大底で買えた理由とは?
さらに、米大統領戦後に米ドル/円が猛スピードで上昇すると、反落を警戒する声も少なくないなか、西原氏は米ドル/円上昇の見方を基本的には維持。
直近の12月12日(月)公開の記事では、FOMC前後は米ドル売りを警戒との見方を示しているものの、もう少し長い目で見れば、米ドル/円は120円への上昇過程の最中にあるとしている。
【参考記事】
●米次期財務長官は元GS・ムニューチン氏。強気材料豊富なドル/円、次は120円へ!(12月1日、西原宏一)
●「トランプラリー終焉」との表現に違和感。NYダウは2万ドル、ドル/円は120円へ上昇!(12月8日、西原宏一)
●利上げ織り込み度100%のFOMC前後は調整売りに警戒! 米ドル/円はどう動く?(12月12日、西原宏一&大橋ひろこ)
(出所:Bloomberg)
米大統領選挙でのまさかのトランプ氏当選、そして、「トランプショック」でリスクオフだったはずが、完全にリスクオンになってしまった2016年後半の金融市場。
2017年を迎えると、早速、1月20日(金)に米大統領就任式が予定されている。米大統領就任式まで、このトランプ相場は続いているのか? そして、トランプ氏は米大統領として就任式で何を語るのか……年初から金融市場はあわただしい動きになりそうだ。
(「ザイFX!で2016年を振り返ろう!(3) 日銀マイナス金利導入! ヘリマネ騒動も…」へつづく)
(ザイFX!編集部・庄司正高)
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