■米ドル/円115円台復帰で、円買い戻し終焉
米ドル/円は115円の大台を回復している。前回のコラムで指摘していたように、同節目の回復がカギなので、円買い戻しの終焉が告げられたと言える。
【参考記事】
●米ドル/円は保ち合い?上放れ? 115円節目回復がカギだが、米国株バブルは大丈夫?(2017年3月3日、陳満咲杜)
(出所:Bloomberg)
したがって、昨日(3月9日)のユーロ/円の大幅上昇もその一環と見なし、整合性を持つサインだと受け止める。
(出所:Bloomberg)
■ドルインデックスは重要なポイントをすでにブレイクしたが…
もっとも、昨日(3月9日)のユーロ/米ドルの切り返しがあったからこそ、ユーロ/円の大幅上昇がもたらされた側面は見逃せない。この分、ドルインデックスの上昇は、モメンタムが強いとは言い切れない。
ただし、前回のコラムでも指摘したように、ドルインデックスは重要なポイントをすでにブレイクした以上、ブル(上昇)基調を保てるはずだ。
【参考記事】
●米ドル/円は保ち合い?上放れ? 115円節目回復がカギだが、米国株バブルは大丈夫?(2017年3月3日、陳満咲杜)
(出所:Bloomberg)
ゆえに、先週末(3月3日)急落したものの、今週(3月6日~)、一貫して切り返し、また、昨日(3月9日)の足型は、従来のレジスタンスラインをサポートラインとして役割を転換させていることを暗示しており、2月2日(木)安値を起点とした上昇波動の継続を示唆。1月11日(水)高値の102.95の打診を射程圏内に収めている。
■米ドル全体のパフォーマンスは精彩を欠く
一方、重要なポイントをすでにブレイクしていたからこそ、足元の米ドル全体の「足踏み」状態は、芳しくないとも言える。
なにしろ、米3月利上げ観測がほぼ100%に達している中であるから、この程度の米ドル高のスピードでは、ロング派にとってやや肩透かしをくらう市況である、とさえ言える。
米2月ADP民間雇用者数の29.8万人増という数字が発表されて以降、市場関係者のコンセンサスとして3月利上げはほぼ懸念なしとなっているが、米ドル全体のパフォーマンスは精彩を欠く。
昨日(3月9日)、ドラギECB(欧州中央銀行)総裁が「あらゆる手段やツールを動員する緊急性がなくなった」という見方を披露したあと、ユーロショートポジションの買戻しが見られ、米ドル高一辺倒にはほど遠い市況であることが示唆されている。
欧州政局など混乱要素もあるものの、2月以来のユーロ安は…
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