■旅行会社・てるみくらぶ破綻!戻ってくるお金はわずか1%
大騒ぎとなっている旅行会社・てるみくらぶの破綻。
旅行代金を支払ったのにも関わらず、ホテル代や航空券代を請求されるとか、そもそもホテルや航空券が取れていないというのは理不尽極まりない話。しかし、今回の一件ではそんな人が続出しているらしい。
てるみくらぶは破綻直前に新聞で大々的な現金一括入金キャンペーンの広告を打っていたことなどから、「計画倒産」ではないかといった声も出ているようだ。

この破綻で影響を受けるのは3万6000件、約99億円の旅行申込者と報道されている。1件に複数の参加者がいることから、影響を受ける旅行者は8~9万人にものぼるとの見方もあるようだ。その影響の大きさに驚かされる。
てるみくらぶも加盟している日本旅行業協会(JATA)には弁済業務保証金制度というものがあり、旅行申込者は一定程度救済されるようだ。ただ、てるみくらぶの場合、弁済保証金限度額は1億2000万円となっており、顧客に戻ってくるお金は全体の1%ほどと見込まれている。
たったの1%である。

日本旅行業協会公式サイトのトップページには、弁済業務保証金制度についての案内がある。協会にはてるみくらぶの件で電話が殺到、電話はつながりにくい状態になっているようだ。
■“破綻でお金が戻ってこないリスク”を考える2つの観点
さて、ザイFX!がなぜ、旅行業界の話を?と怪訝に思われた読者もいるかもしれないが、今回取り上げたいのは、金融業界で同じような破綻劇が起きた場合、投資家の資産はどうなるのかという話だ。
筆者はこのような“破綻でお金が戻ってこないリスク”については、以下の2つの観点から考察する必要があると考えている。
(1)しくみとして安全かどうか
(2)総合的に見て安全かどうか
旅行業界の場合は先ほど述べたとおり、弁済業務保証金制度というものがあった。上記(1)について、安全性を担保する「しくみ」は一応、あるわけだ。けれど、てるみくらぶの場合は、規模が大きかったため、その「しくみ」がスカスカだったわけである。
このようなケースで、安全性を担保する「しくみ」がたとえあったとしても、それが完全なものでないということは旅行業界に限らずあるようだ。
■ペイオフの対象外! 外貨預金はある意味、かなり危険!?
ただ、金融商品のなかにはその安全性を担保する「しくみ」さえないという、ある意味、かなり危険なものがある。その代表格は意外にも銀行が扱っている外貨預金だ。
銀行というとお堅いイメージで、信用のおける存在と感じられるが、外貨預金については「しくみ」上はそうでもないのだ。
ペイオフ(預金保険制度)という制度は耳にしたことのある人も多いだろう。ペイオフによって、銀行が破綻した場合でも、定期預金や普通預金は1人当たり元本1000万円+利息が保護される。また、当座預金や利息のつかない決済用預金は全額が保護される。
ところが、外貨預金はこのペイオフによる保護の対象外なのである。外貨預金には万が一の場合に保護してくれるしくみが存在しないのだ。
【参考記事】
●日本振興銀行の破たんで再確認。外貨預金はペイオフの対象外ですよ!

(出所:金融庁)
一方、株式や投資信託は万が一の…
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