■本邦勢から英ポンド/円と米ドル/円に断続的な買い
昨年(2016年)同様、今年(2017年)も多くのリスク要因が指摘されています。
投資資金にとっては、前述のフランス大統領選や北朝鮮問題が注目されている時は株を筆頭としたリスクアセットになかなか資金を投入できません。
しかし、先週(4月17日~)、メイ英首相が決断したあと、本邦投資家から断続的に英ポンド/円と米ドル/円の買いがマーケットへ投入されたこと。加えて、今回のフランス大統領選を無事に通過したと同時に、彼らからユーロ/円と米ドル/円の執拗な買いがマーケットに投入されたことから判断すると、マーケットの不安要素がひとつずつ消えていくにしたがって、待機している投資資金がいっせいにマーケットに戻ってきたようです。
【参考記事】
●メイ英首相の決断がゲームチェンジャーに? 英ポンドは対豪ドルやNZドルの動きに注目(4月20日、西原宏一)
■リスクオンで米ドル/円は115円に向けて反発する公算
そして、昨年(2016年)から、英ポンド/円の動向が米ドル/円を牽引する傾向があります。その英ポンド/円は先週(4月17日~)から約8円急騰しました。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/円 4時間足)
以下は米ドル/円の日足チャートです。
(出所:Bloomberg)
このチャートから読み取れることは、
(1)200日移動平均線が108.99円に位置しており、終値ベースではこのサポートラインをキープしたこと
(2)Brexit時の安値(99.02円)と昨年(2016年)12月のFOMC(米連邦公開市場委員会)時の高値(118.66円)の50%が108.84円であり、終値ベースではこのラインをキープしたこと
(3)TDコンボ(※1)はセットアップとカウントダウンを終了し、ボトムアウトを示唆していること
(4)MACDプレディクター(※2)も上昇にクロスしており、反発を示唆していること
(※(3)と(4)については、著作権の関係で表示していません)
(※1 編集部注:「TDコンボ」とは、トーマス・R・デマーク氏が開発したテクニカル指標の1つ)
(※2 編集部注:「MACDプレディクター」とは、ジョー・ディナポリ氏が開発したテクニカル指標の1つ。MACDをローソク足の上に表示したもの)
フランス大統領選を無事通過した今週(4月24日~)のマーケットでは、日本の生保がヘッジはずしで、かなりの米ドルを購入したというウワサも流れてきています。
Brexitに続く最大の危機とまでウワサされたフランス大統領選を無事終えたことで、マーケットはリスクオンに回帰。
英ポンド/円の反発に先導され、米ドル/円は115円に向けて反発する公算が高まっています。
108円台でボトムアウトした米ドル/円の動向に注目です。
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