昨日はアジア時間で米国株が歴史的な高値をヒット。それがテクニカルな買い戻しを呼んで、米国株は急伸した。後は持ち上がった水準が、米国株の現物の始まる時間まで維持できるかどうかが注目であった。日本株もツラレ高してきてリスクオンとなっている割には、ドル円の上げは鈍い。どうにも112円台に乗せるのを嫌がっているように見えた。
そしてOPECの総会も注目材料だった。欧州時間で出てきた結果は実に予想通りで、減産の期間を9か月延長するものであった。予想通りであったのに、原油価格は3ドル弱の下落。大幅安とは言えないが、5%級の下げはやはりOPECに反応したと言わねばならない。
だったらマーケットはもっと激しいことをやると期待していたのか。イランやリビアなどからは強調減産を引き出せると思っていたのか。仮に減産で合意しても、イラクのように生産枠を遵守しない国もある。それらが今後はOPECで決めたことを守るようになるとでも考えたのか。
期待だけが先行していたのであろうことは、今の米国株と同様であろう。アメリカのシェールオイルの足元の増産傾向が明白になってきているだけに、近い将来はサウジなどが懸念してるシェアの減少が問題になってくるだろう。
原油価格の下げは為替相場に大きな影響を与えなかった。原油価格の下げはリスクオフを伴いやすいものだ。したがって高値圏にいた米国株にもダメージを与えると見られていたが、結果的には株価が崩れることはなかった。
原油の下げのほうは特殊要因だと見て、米国株の上昇のほうが本物のリスクの動向を示唆していると解釈したのだろう。ドル円もユーロドルもその二つの動きの間にはさまって、ニューヨーク時間を通じても実に小幅な動きにとどまった。
トランプ大統領がNATO会議で物議をかもしている。スピーチはお金の分担のことばかりだし、写真撮影のときは他の首脳を手でどけてメルケル首相やマクロン大統領のひんしゅくを買っていた。そして今夜からサミット会合である。
保護貿易に関する文言がどうなるかに関心が集まっているようだが、サミットからは大きなサプライズは出ないだろう。それよりも昨日も歴史的な最高値を更新してきた米国株の動向のほうが、重要になるだろう。
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