■ユーロ/円は200週移動平均線の上抜けがカギに
米ドル/円での米ドル反発の可能性は、他通貨からもみてとれます。
まず、ユーロ/米ドル。
今年(2017年)のユーロ/米ドルも、米ドル/円と同じサイクルで動いています。
1月3日(火)の1.0341ドルの安値から続伸。
8月29日(火)には、一時1.2070ドルの高値に到達しています。
(出所:Bloomberg)
ただ、それ以後は米ドル/円同様、米ドル高で推移しており、調整に入っています。
この2通貨に加え、重要なのはユーロ/円の動き。以下は、ユーロ/円の週足チャートです。
(出所:Bloomberg)
このコラムで以前からご紹介してるとおり、ユーロ/円は週足・一目均衡表の雲の上限を上抜けたことが非常に重要な意味を持ち、それ以降、このコラムでは、ずっとユーロ/円に関しては強気な見立てでした。
【参考記事】
●メルケル発言よりも本邦勢の欧州投資がユーロに追い風! 130円突破なら135円へ(5月25日、西原宏一)
●ユーロの調整は数日で終了し、反発! ユーロ/円は126円乗せで130円が視野に(6月1日、西原宏一)
その流れを止めたのが、200週移動平均線でした。
ユーロ/円は、200週移動平均線が位置する130.50円レベルをどうしても上抜くことができず、約7週に渡って上値を抑えてきました。
ただ、今週(8月27日~)、北朝鮮の報道をきっかけに、この重要ポイントを上抜けてきました。
(出所:Bloomberg)
これは週足ベースであるため、本稿執筆時点では、まだ終値ベースで130.50円ブレイクを確認できませんが、現時点では重要な200週移動平均線を上抜けて、続伸する公算が高くなっています。
■ユーロ/円が上昇するには米ドル/円の続伸が不可欠
ここで問題なのは、9月に入ると、ユーロに関するイベントも多いこと。
まず、9月7日(木)のECB(欧州中央銀行)理事会。
仮に、ユーロ/米ドルが調整に入るとしても、9月7日(木)のECB理事会前までは大きく調整することは考えにくい状態。
結果、ユーロ/米ドルが調整に入るとしても小幅であるとすれば、ユーロ/円が上昇するためには、米ドル/円が続伸する必要があります。
(出所:Bloomberg)
9月5日(火)から米国議会も再開し、米国の債務上限問題が深刻化している状況では、リスクオフというシナリオを描きやすいのですが、前述のテクニカル分析の視点から考えれば、9月から米ドル/円は円安相場に回帰する公算が濃厚。
200週移動平均線をブレイクしたユーロ/円の動向と、9月から円安に回帰するかどうかに注目が集まる米ドル/円の動向に注目です。
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