■日経平均やNYダウの好調ぶりも霞むビットコインの暴騰劇
日経平均が約21年ぶりの高値圏に? NYダウは最高値更新中だって! なんだか株価が好調ねぇ…なんて思っていたところ、それらの上げ幅が、ちっぽけに見えるほどの大暴騰を見せてくれたのが、ビットコイン(BTC)です。
10月12日(木)あたりからグイグイっと上昇幅を広げ、ついに、対円で60万円の大台を突破! 一時、70万円手前まで上昇しました。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ビットコイン/円 4時間足)
2017年9月には、中国のICO規制に関する報道などの影響で、一時30万円台にまで急落していたのが一転…。どうして、こんなことになっているのでしょうか?
【参考記事】
●「ICO」とは? 「IPO」と何がどう違うの?テックビューロ発、「COMSA」のしくみは?
■暴騰の背景には、ハードフォークでの「たなぼた」期待?
今回のビットコインの暴騰を語る上でポイントとなるワードが、ハードフォーク。
ハードフォークって、2017年夏に、ビットコイン分裂! ビットコイン分裂! 危ないんじゃない? アレ? 危なくないの? あれれ? どうなってんの? などと、なぜか一般メディアまで巻き込んで騒がれまくったアレのことです。
全部すっ飛ばしてお伝えすると、現在のビットコインの暴騰は、これから起こるハードフォークによる「たなぼた」を期待したお祭り騒ぎっぽい。
【参考記事】
●ビットコインは、8/1のハードフォーク後に最高値更新! ビットコインキャッシュとは?
ハードフォークによる「たなぼた」ってどういうことなのか? 2017年夏の出来事を振り返りつつ、今起きていることを確認していきましょう。
詳細は、上の【参考記事】をご覧いただきたいのですが、この時は、従来からビットコインのスケーラビリティ問題解決策として提案されていた「segwit」が無事にアクティベート(有効化)されて事なきを得るとともに、いつの間にか湧いて出てきた(?)別の勢力によるハードフォークが実施され、新たな仮想通貨、ビットコインキャッシュ(BCH)が誕生することとなりました。
結果、ビットコイン保有者は基本的に、従来のビットコインを維持しつつ、持っていたビットコインと同じ量のビットコインキャッシュをもらえることになり、何もせずに手持ちの仮想通貨を増やすことができたのです。
■ビットコインを持ってるだけでもらえたビットコインキャッシュ
ハードフォークによって、もともとのビットコインの価格が下がったり、新たに誕生した仮想通貨の価値が無きに等しいものであれば、おいしくもなんともないのですが、この時のハードフォークを機に、ビットコインはますます上昇しましたし、新たに誕生したビットコインキャッシュは、一時10万円くらいの値段をつけました。
さすがにビットコインキャッシュは、その後、下落しましたが、現在も3万円台半ばあたりで推移しています。何もせずに手に入れたものが、今現在も3万円超の価値を持っているのです。
(出所:kraken)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ビットコイン/円 日足)
まさに、「たなぼた」状態。こんなにおいしい話はない…。
これと同じことが、これから実施されるハードフォークでも起きるのではないか? という期待感が、現在のビットコイン暴騰の背景にあるのでは~? と考えられるワケです。
みんな、それを期待して、せっせと買っているのかな? と。
■これから起きそうなハードフォークは? ビットコインゴールド?
これから起きるハードフォーク、というか起きそうなハードフォークは、記者の知る限り2つ。
1つは、2017年8月にアクティベートされた「segwit」に関係するもの。これは、当時から言われていたことですが、なんでも「segwit」は、のちにブロックサイズを2MBに引き上げるハードフォークを実施するという約束の下に合意されたものだったようで(NY合意とか言われている)、そのブロックサイズの引き上げ期限が、2017年11月に迫っているのです。
もしかすると、11月の段階でもう一度、ビットコインのハードフォークが実施され、新たな仮想通貨が誕生するかもしれません。
【参考記事】
●ビットコインは、8/1のハードフォーク後に最高値更新! ビットコインキャッシュとは?
もう1つは、香港のマイニング企業が主導するBitcoinGold(ビットコインゴールド)と言われるもので、こちらは10月25日(水)にハードフォークすると宣言しているようです。通貨コードは、BTGらしい。
ちなみに、このハードフォークでは、フォーク後にビットコインキャッシュ同様、新しく誕生するビットコインゴールドを配布する予定みたいです。
いったい、どのくらいの価値がつくのでしょう…。
(出所:http://btcgpu.org/)
■この秋は、ハードフォーク祭りになるの? 情報収集忘れずに
以前からあった話なのかどうなのか? なんだか急に出てきた印象のビットコインゴールド。もしかしたら、この記事でお伝えしてきた「たなぼた」を期待して、主導する企業が戦略的にハードフォークを仕掛けてるなんてこともあるのか…?
真相は不明ですが、なんだか、今年の秋はハードフォーク祭りが続きそうな気がしますね…。今は、本家ビットコインもめちゃくちゃ上昇していますが、実際にハードフォークを迎えれば、どうなるのかわかりません。
必要以上にビビる必要はないのかもしれませんが、場合によってはビットコインが暴落する可能性だってなくはないでしょうし、配布される予定らしいビットコインゴールドだって、すべての仮想通貨交換業者が取扱うかどうかはわかりません。
ビットコインキャッシュの時は、日本国内の仮想通貨交換業者が次々と取扱いを発表し、新たに誕生したビットコインキャッシュをビットコイン保有者に配布しました。現在もbitFlyer(ビットフライヤー)やbitbank(ビットバンク)、GMOコイン、Zaif(ザイフ)などの大手どころで売買することができます。
次もハードフォークが起きれば、同じ対応になるのかどうか…?
とりあえず、仮想通貨交換業者では、ハードフォークに伴って気をつけた方が良い点や入出金に関する停止措置、あるいは新たに誕生した仮想通貨の配布などについてアナウンスがある時は、ウェブサイトやSNSを使って適宜、情報発信を行ってくれますので、それをチェックしておくことが大切でしょう。
ただし、ビットコインキャッシュの時は、各社の対応やアナウンスのタイミングなどは足並みが揃ったものではなかったと記憶しています。
日本国内では、2017年9月末に、仮想通貨交換業者の登録が実施され、現在11社が登録業者となっていますが、次はある程度、足並みを揃えた対応をするのか? 前回同様、各社バラバラに動くのか? わかりません。認定自主規制団体なども、まだ確定はしていないようですしね…。
【参考記事】
●ビットコインがマネパカードにチャージ可能へ!?認定自主規制団体の件って決着ついたの?
●仮想通貨交換業者11社が金融庁登録!(1) “記者会見合戦”が行われた歴史的瞬間
●仮想通貨交換業者11社が金融庁登録!(2) ビットフライヤーは仮想通貨出来高世界一!
●仮想通貨交換業者11社が金融庁登録!(3) 徹底比較! 資本金の多い会社はどこ?
何か新しい情報が入りましたら、ザイFX!でもお届けしていきたいと思いますが、ビットコインを保有している人は、そんな話もあるらしい…ということで、注意するようにしてくださいね。
(ザイFX!編集部・向井友代)
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