■リスクオンにいち早く反応した米ドル/スイスフラン
株の急騰は、いわゆるリスクオン。つまり、「株高・債券安・商品高・円安・スイスフラン安」という流れになります。
これに、いち早く反応しているのが、米ドル/スイスフラン。
米ドル/スイスフランは、米ドル/円やユーロ/米ドル、米10年債利回り同様、9月8日(金)の変化日に0.9421フランという安値に到達しています。
【参考記事】
●北朝鮮建国記念日が相場の転換点だった! 日本株は約21年ぶり高値。米ドル/円は?(10月12日、西原宏一)
米ドル/円同様、「陰の極」を演じた後の米ドル/スイスフランは続伸を続け、本稿執筆時点では1.0000フラン絡みで推移しており、パリティ(1米ドル=1.0000フラン)回復間近の展開。
(出所:Bloomberg)
この米ドル/スイスフランの動向も世界的な株高、つまり、リスクオンに反応している要素が強いため、周回遅れで米ドル/円も、この米ドル/スイスフランの動きに追随するのではないか? と考えています。
■米ドル/円はレジスタンスライン突破で上昇に弾み
前述のように、日経平均の歴史的急騰や米ドル/スイスフランの反発と比較すると、米ドル/円の上昇はいかにも緩慢。
この理由には、過去のコラムでご紹介させていただいた、米10年債利回りが上昇してこないことや、114円台のオプションに阻まれていることも挙げられます。
【参考記事】
●北朝鮮建国記念日が相場の転換点だった!日本株は約21年ぶり高値。米ドル/円は?(10月12日、西原宏一)
●米大型減税の行方がマーケットの関心事。米ドル/円118円上昇のカギを握るのは…!?(10月19日、西原宏一)
加えて、米ドル/円の上値を抑えているのが、2015年6月からのレジスタンスライン。
このレジスタンスが、本稿執筆時点では114円台後半に位置しています。
(出所:Bloomberg)
このレジスタンスラインが、過去2年半、米ドル/円の上値を抑えていた展開。
仮に、このレジスタンスラインを上抜ければ米ドル/円の上昇が加速する公算大です。
先週のコラムでご紹介したように、米ドル/円が反落する局面では、本邦機関投資家のオープン外債(為替をヘッジせず、オープンで投資する外債)に絡む米ドル買い注文が待っていることも予想され、米ドル/円の下落余地は限定的。
【参考記事】
●ドル/円は118円への上昇過程! 注目は…!? NZドルを反落させたネガティブ材料とは?(10月26日、西原宏一)
結果、早晩、米ドル/円は114円台後半のレジスタンスを抜け、上昇に弾みがつくのではないかと考えています。
(出所:Bloomberg)
16連騰という記録的な急騰を見せた日経平均に、周回遅れで上昇を開始した米ドル/円。
重要なレジスタンスで、もみ合いを演じていますが、下落余地が徐々に限定的となり、11月は上値を大きく伸ばすことが期待される米ドル/円相場の行方に注目です。
【ザイFX!編集部からのお知らせ】
ザイFX!で人気の西原宏一さんと、ザイFX!編集部がお届けする有料メルマガ、それが「トレード戦略指令!(月額:6600円・税込)」です。
「トレード戦略指令!」は10日間の無料体験期間がありますので、初心者にもわかりやすいタイムリーな為替予想をはじめ、実践的な売買アドバイスやチャートによる相場分析などを、ぜひ体験してください。
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)