■米ドル高トレンドの強さは「正解者」の見込みを上回っている
言うまでもないが、足元の状況はまさにそのとおりだ。米ドル全面高はほぼ一本調子に進んできた分、最初から米ドル高を見込んでいた者ですら、米ドル高のスピードについていけなくなってきた可能性が大きい。何を隠そう、筆者もそのうちの1人だ。
執筆中の現時点で、米ドル/円は111円の大台をいったん打診しており、週足では「8連陽」を達成するのもほぼ間違いなしだ。
(出所:IG証券)
仮に筆者と同じく、最初から米ドル高を見込んでいた方々だとしても、果たして最初からこのような強い米ドル高を見込めただろうか。また、米ドル高のトレンドに乗って利益を出したとしても、市況に照らして利益を伸ばしてきているだろうか。
答えは「ノー」、と言う方が多いのではないと勝手に推測するが、別に恥ずかしいものではない。相場の難しいところは、実にそこ(利益を伸ばす)にあるから、今さら感心する必要もなかろう。
■現在の米ドル高トレンドが「本物」である根拠とは?
話を相場の検証に戻すが、言いたいことは以下の2点に帰着するのではないかと思う。
まず、米ドル高のトレンドは、最初からの「正解者」すら「困惑」するほど強いから本物である。
次に、米ドル高のトレンドは、最初からの「正解者」すら「困惑」するほど強いから、目先行きすぎである。
米ドル/円の例でみると、週足における「八連陽」は2016年11月のトランプ氏当選から同年末まで続いた大幅な米ドル高、すなわち「トランプラリー」(6連陽)を超えた記録となり、ユーロ/米ドルの週足では「5連陰」をもって2015年以来の記録を塗り替えている。
(出所:IG証券)
(出所:IG証券)
ここで誤解のないように書き加えるが、週足における「連陽」や「連陰」自体はトレンドの強さを証明するサインであり、トレンド自体が行きすぎかどうかはこれだけではわからない。重要なのは、前述のように特定の局面との比較である。
このあたりの検証はまた次回に譲るが、より重要なロジックを先に書いておきたい。それは他ならぬ、本物のトレンドは必ず行きすぎをもたらし、また、特定の局面の記録を塗り替えるほどそのトレンドが強い、ということだ。
ある意味では、市場参加者全員を困惑させない相場やトレンドでは、そのトレンドを判断する安心感を得られないから、目下の状況は米ドルロング派にとって朗報だ。
詰まるところ、米ドル高のトレンドはこれからも続き、また、米ドル高はまだまだ初歩段階といえる。市場参加者全員の「困惑」もこれから変化していくから、市場心理のフォローが大事であり、これからも続けていきたい。市況はいかに。
(14:00執筆)
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)