■リスクオフに対する備えが不充分な可能性
昨年(2017年)は、リスクオフに備えてヘッジの動きが活発になり、下げる場面もありました。
ところが、今年(2018年)は、「去年は大丈夫だったから、今年も大丈夫だろう」と油断し、ヘッジが不充分となっているフシがあります。
そのせいで今回のイタリア政局のように、危機が具現化したとき、ショックが大きくなっています。「去年は大丈夫だったから」と油断しない方がいいのではないでしょうか。
リスクオフの円高に要警戒、ということですね。今週(6月4日~)のイベントに目を移すと、7日(木)に日米首脳会談が、12日(火)には米朝首脳会談が予定されています。
米朝首脳会談で平和裏な解決の道筋が見えてくると、リスクオン的に買い戻しが入る可能性もありませんか?
可能性はあると思いますが、延期とされていた米朝首脳会談が当初の予定通りに開催されるとのニュースが流れた6月2日(土)の早朝、米国株市場はまだ開いていましたが、大きく反応していません。
北朝鮮リスクがそれほど強く意識されていないのではないかと思います。

(出所:Bloomberg)
■貿易戦争の激化によるリスクオフ円高に警戒
イタリア、スペイン、ドイツ銀行に貿易戦争、そして北朝鮮の核問題――話題が多いですね。
こうした話題を、まだマーケットは消化しきれていないように見えます。特にアメリカとEUの関税ですね。
春先には米中の貿易戦争が大きなテーマとなり、円高・米ドル安が進みました。今後、対EUでの摩擦が深刻になれば、リスクオフ的な動きが強まるのではと思います。
【参考記事】
●輸入関税に反対してきたコーン氏が辞任! ドル/円は上値重く、105円決壊なら100円へ(3月8日、西原宏一)
そうすると、今週(6月4日~)の戦略は?

(出所:Bloomberg)
ユーロ/円は先週(5月28日~)、124円台をつけましたし、イタリアの政局がとりあえず落ち着いたこともあり、今週(6月4日~)は、反発に警戒でしょうか。
戻りがあれば売りたいですが、それよりも米ドル/円の売りを中心に考えていきたいと思います。
(構成/ミドルマン・高城泰)
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