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ウィンクルボス兄弟のビットコインETFは
なぜ却下された? 問題点と経緯を解説!

2018年08月01日(水)17:51公開 [2018年08月01日(水)17:51更新] 広瀬隆雄[Market Hack編集長] バックナンバー一覧へ>>

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■仮想通貨特有のカストディー問題って?

 しかし、機関投資家が仮想通貨を買うには、いまだに大きな障害があります。たとえば、仮想通貨のカストディー・サービスは、未だ端緒についたばかりで、機関投資家から信頼を獲得していません

 カストディー・サービスは、主に信託銀行などが提供しているサービスで、ファンドマネージャーの指示に従って株券を受け入れ、安全に保管するような「金庫番」の仕事です。

 普通、仮想通貨を買った場合、その注文を出した本人と仮想通貨の所有権の帰属は同一です。これは当たり前のことですが、そもそも機関投資家の仕事というものが「ひとさまのおカネを預かり、運用する」という事である以上、運用権と所有権は明快に区分されなければいけないのです。

 しかし、今の仮想通貨のインフラストラクチャ(しくみ、基盤)で、もし機関投資家が受益者から預かったお金で仮想通貨を買うと、ファンドマネージャーの送金アドレスに仮想通貨が振り込まれるので、「どんぶり勘定」になってしまう恐れがあるのです。

■機関投資家が抱えるリスクとは? でもETFなら…

 投資家はヘッジファンドにお金を預ける場合、「プライム・ブローカーは、どこを起用していますか?」という質問をぶつけるのが普通です。

 プライム・ブローカーとは、株や債券などのトレードを執行するだけでなく、ヘッジファンドに代わって買い付けた株券や現金などを保管する「金庫」の仕事もしているような証券会社を指します。

 どんなに腕のいいヘッジファンドの運用担当者がいたとしても、プライム・ブローカーがショボければ、おカネを預ける側としては大いに不安になります。

 だから、普段そのヘッジファンドが使っているプライム・ブローカーに、仮想通貨のカストディー・サービスの能力がなければ、別に信託銀行を指名する必要が出てきます。

 当然、お客さん1人1人にその旨を説明して回り、了解を取り付ける必要が出ます。

 顧客は自分の資産の預かり先の変更には特に敏感ですから、「そんなに面倒なら、もうお前にはおカネを預けない!」という感じで、顧客が離反するリスクすらあるのです。

大多数の機関投資家は、「顧客を失うリスクまで冒して、仮想通貨に投資したくない」と考えています。

しかし、ETFなら機関投資家が現在使っているプライム・ブローカーや信託銀行を変更せずとも、直ぐに買うことができます。

 なぜなら、ETFは「株のようなもの」なので、トレードや受け渡しは株とまったく同じ手順で行われるからです。

ビットコインETFが承認されたら、せきを切ったように機関投資家の資金が仮想通貨に流れ込むと予想されている理由はここにあるのです。

■考慮中のビットコインETFが認可される可能性は低い

 ただ、現在、申請済でいまだSECから却下されていない「考慮中」のビットコインETFは、いずれも理想からはほど遠い商品設計のETFです。

 したがって、それらのビットコインETFが、SECの承認を取り付ける可能性はかなり低いと思います。

 冒頭でも書いたとおり、今は運用業界全体がビットコインETFという商品に関し、もう一度、白紙の状態に立ち戻って考え直すべき局面に来ていると思います。

■ビットコインETFの承認前に片付けなければいけないこと

 これは直接ビットコインETFとは関係ないのですが、物事の順序から言ってまず、大きなICO(※)の詐欺事件で投資家が損を被るなどのニュースが出る必要があるのではないか?と、私は考えています。

(編集部注:ICO(Inicial Coin Offering)とは、簡単に言うと株式市場におけるIPOの仮想通貨版のようなもの。企業などが独自の仮想通貨を発行し、それを不特定多数の投資家に取得させることで対価を得て資金調達すること)

【参考記事】
「ICO」とは? 「IPO」と何がどう違うの? テックビューロ発、「COMSA」のしくみは?

 なぜなら、仮想通貨界には「なぜSECなどが我々のやっていることに口出しするの?」という、「SEC迷惑論」がはびこっており、SECの権限の及ぶ範囲に関しても喧々諤々の議論があるからです。

 実際に投資家が詐欺事件で騙されれば、「ああ、法律が無ければ、騙し取られたおカネを取り返す法的な措置すらも講じることができないし、騙した連中を捕まえる事すらできないのだな」ということを痛感すると思います。

 これは、たとえば「コインチェックにおけるNEM盗難事件」が起きて、初めて金融庁の指導の重要さが痛感されたのと似ています。

【参考記事】
コインチェック事件は全額返金で一転解決!? 消えた580億円分の仮想通貨NEMどうなる?
コインチェックから流出したNEMはその後、どうなった? 犯人は日本人の可能性も!?

 SECの権限の及ぶ領域に関する議論は、ビットコインETFの承認の議論よりも一回り大きい「枠組み」の議論です。それがスッキリするまでは、ビットコインETFが承認されることで、なし崩し的に年金や投資信託などの我々のライフプランの設計にとって重要な資金を巻き込むべきではないのです。

■イーサリアムなど、その他の仮想通貨ETFの現状は?

 なお、イーサリアムやその他の仮想通貨に関しても「ETFを出してほしい」という期待があります。

 しかし、ビットコインに比べてイーサリアムをはじめとするその他の仮想通貨の法的な立ち位置(つまり、有価証券か、それともコモディティーか? というような議論)は、ずっと不明瞭です。

 また、出来高の面からも、ビットコインよりさらに取引が閑散なので、冒頭で述べたようなトレードを巡る問題は、ビットコインの場合より、さらに輪をかけて厳しいのです。

仮想通貨別の月間ボリュームランキング(2018年8月1日現在)
仮想通貨別の月間ボリュームランキング(2018年8月1日現在)

(出所:coinmarketcap)

 したがって、それらのETFが近いうちに登場する可能性は、今のところはとても低いと思われます(※)

(※個人投資家が参加できない私募ベースで募集され、1年のロックアップ期間を終えてOTC Marketsと呼ばれる私設の株式市場で店頭取引されている商品は既に存在します)

■ビットコイン価格を左右する材料はETFの承認だが、道のりはまだ遠い

今年(2018年)のビットコイン価格を左右するもっとも重要な材料は、ビットコインETFの承認です。

 しかしご紹介したように、先日、ウィンクルボス兄弟のビットコインETFがSECから却下された例に見るように、その道は険しいです。

 ただ、ビットコインETFそのものが「死んだ」というわけではありません

 また、ひとたびそれが承認されれば、せきを切ったように機関投資家のマネーが殺到し、仮想通貨市場全体が活性化する可能性も残っています。

ただ、ビットコインETFの承認には、長い月日を要すると覚悟した方がいいと思います。

(編集担当:ザイFX!編集部・堀之内智)

【参考コンテンツ】
ビットコイン・仮想通貨の取引所/販売所を比較。取引コストが安いのはどこ?
「ビットコイン・仮想通貨のFX」ができる取引所を比較。上昇も下落も収益チャンスに

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