■上海総合指数は2700ポイントが節目に
そして、資源国通貨である豪ドルの軟調な動きも続いています。
その要因は、豪州の政治的な混乱もありますが、上海総合指数の続落が影響しています。以下は、上海総合指数の週足チャートです。
(出所:Bloomberg)
このコラムで何度かご紹介させていただいていますが、上海総合指数は、下げ幅が20%を超えて弱気相場入り。サポートであった3000ポイントが遠くなり、節目の2700ポイントあたりで、もみあっています。
【参考記事】
●17年間も続いたサポートを割れる寸前! 豪ドルはなぜヤバい?米中貿易戦争が影響?(6月21日、西原宏一)
●2018年前半の為替相場を振り返ろう! 「ローリング・ベア」で弱気相場が継続する?(6月28日、西原宏一)
マーケットのウワサによれば、2700ポイントというレベルは、中国当局が意識しているレベルであり、下げ渋っていると言われています。ただ、米中貿易戦争が激化する中で、上海総合指数の上値は極めて限定的です。
■豪ドルの軟調な動きは継続…
この上海総合指数の続落が豪ドルに大きな影を落とし、豪ドルの下落トレンドは継続。
豪州経済は中国経済にかなり依存していることから、中国経済の失速が豪州経済を低迷させているわけです。
【参考記事】
●米国の対中関税第3弾が今週にも発動!? 米ドル安に誘導したいトランプはどう動く?(9月3日、西原宏一&大橋ひろこ)
そして、前回のコラムでご紹介させていただいたように、中国や豪州から流出した資金は、米ドルだけではなく、欧州に流れ込んでいる模様。
【参考記事】
●トランプ政権が米ドル安に向けて動く!?欧州通貨上昇。米ドル一人勝ち相場終焉か(8月30日、西原宏一)
つまり、ユーロ/豪ドルは続伸中。
(出所:Bloomberg)
ユーロ/豪ドルについては、豪ドルの要因だけではなく、ユーロ/米ドルが1.1500ドルで底固めをしていることも、上昇に弾みをつける要因となっています。
1.6000豪ドルを回復したユーロ/豪ドルは、本稿執筆時点で1.62豪ドル台を回復。目先のターゲットを1.6600豪ドルに置いています。
投資資金は、スイスにも移動しているようで、スイスフランは対米ドルだけではなく、対豪ドルでも続伸中です。
(出所:Bloomberg)
(出所:Bloomberg)
この環境下、前述の報道のように、仮に、米国株が調整するようであれば、リスクオフにより、豪ドル/円の下値余地も大きく拡大することになります。
先週(8月27日~)に引き続き、ユーロ/豪ドルは続伸。
米国のレイバーデイ明けの相場のセンチメントが変貌し、株が調整となれば、豪ドル/円も動意づくと想定されます。
引き続き、豪ドルクロス(豪ドルと米ドル以外の通貨との通貨ペア)、ユーロ/豪ドルや英ポンド/豪ドル、豪ドル/スイスフラン、そして、豪ドル/円の動向に注目です。
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