■今年前半の為替相場を振り返ると?
みなさん、こんにちは。
今週(6月25日~)の金曜日(6月29日)は月末、四半期末、半期末の節目の日となります。つまり、早いもので、今週(6月25日~)で今年(2018年)も前半戦が終了となるわけです。
そこで、まずは、今年(2018年)前半の為替相場を振り返ってみたいと思います。
使用するのは、対米ドルでの主要通貨のリターンを比較したグラフです。
最初に紹介するのは、今年(2018年)の1月~2月までのリターン(騰落率)になります。
(出所:BloombergのデータよりザイFX!編集部が作成)
主要通貨の中で、対米ドルで圧倒的な強さを見せたのが円です。
このコラムでご紹介させていただきましたが、今年(2018年)の注目は、米ドル/円の下落。
【参考記事】
●2018年初頭に注目したいのはユーロ/円! 米中間選挙に向けて米ドル/円は105円へ(2017年12月21日、西原宏一)
そして、ターゲットは105円としていたのですが、米ドル/円は、2月16日(金)に、早くも105.55円まで急落しました。その後、米ドル/円は、3月26日(月)に、104.56円まで続落しています。
ユーロ/米ドルも、2月に1.25ドル台まで上昇しており、今年(2018年)3月ごろまでの米ドルは、主要通貨に対して値を下げる展開が続いていました。
(出所:Bloomberg)
(出所:Bloomberg)
■4月以降、急反発した米ドル相場
ところが、4月にユーロ/米ドルが方向を変えてから、相場の様相が変わります。
次は、年初来の対米ドルのリターンです。
(出所:BloombergのデータよりザイFX!編集部が作成)
※データ取得期間は2018年年初からコラム公開日の前日、6月27日(水)まで
円は、対米ドルでまだ上昇していますが、他の通貨は、米ドルに対して大きく値を崩しています。
つまり、4月から、円以外の主要通貨では大幅な米ドル高が続いているというわけです。
特に注目すべきは、資源国通貨である加ドルや豪ドル。これらの資源国通貨は、米ドルに対して大きく値を下げています。
見方を変えれば、今年(2018年)の4月ごろまでは、「通商問題=米ドル安」という図式。
ところが、最近は米中貿易摩擦の問題が、米中で妥協点を見出せず、貿易戦争へと進行しているといった報道が目立ちます。
写真は握手を交わすトランプ大統領と習近平国家主席。米中貿易摩擦で妥協点を見出せず、貿易戦争へと進行しているといった報道が目立つ (C)Bloomberg/Getty Images
■上海総合指数は弱気相場入り?
呼応して、上海総合指数が続落。
前回のコラムでご紹介させていただいたように、上海総合指数は3000を割り込んで、下落が鮮明です。
【参考記事】
●17年間も続いたサポートを割れる寸前! 豪ドルはなぜヤバい?米中貿易戦争が影響?(6月21日、西原宏一)
今週(6月25日~)に入ってからは、上海株が弱気相場入りしたといった報道が目立ちます。
弱気相場入りした上海株 貿易摩擦懸念、IPO熱気冷め
中国株式相場の下落が目立っている。上海総合指数は今週、3000や2900といった節目を相次いで割り込み、このままいけば人民元の切り下げをきっかけとした2015年夏~16年初めの「チャイナショック」後の安値(2655)すら視野に入る。米中貿易摩擦の激化懸念に加え、中国内の資金の流れの変化や新規株式公開(IPO)ブームの反動といった複合的な要因が背景にある。
「中国株は弱気相場入りした」。中国の資産運用助言会社の巨豊投資質訊は20日付のリポートでこう指摘した。いつもは強気な中国本土の市場関係者だが、投資意欲が急速に衰えている。上海総合指数は21日に2年ぶりの安値に沈んだ。22日も続落して始まり一時2830台まで下落。1月高値からの下落率は2割を超え、欧米市場の基準でみても弱気相場の領域に足を突っ込んだ。年初来ではマイナス13%と東アジアの主要指数で「最弱」だ。
出所:日経新聞
以下は、上海総合指数の週足チャートです。
(出所:Bloomberg)
今月(6月)、直近の高値から20%超急落し、確かに、上海株は弱気相場入りしたように見えます。
調整局面入りした上海総合指数の動向は、中国経済の影響を受けやすい豪ドルに対して、ネガティブに作用します。
加えて、前回のコラムでご紹介させていただいたように、商品市場の低迷や米国、豪州の10年債利回りと豪ドルとの相関性も相まって、今年(2018年)後半も、豪ドルを筆頭に資源国通貨の上値は重い展開が続くのではないかと考えています。
【参考記事】
●17年間も続いたサポートを割れる寸前! 豪ドルはなぜヤバい?米中貿易戦争が影響?(6月21日、西原宏一)
商品相場や上海総合指数の下落、豪ドル/円の…
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