■加熱する米中貿易戦争で日米の株価は?
みなさん、こんにちは。
今週(6月18日~)の日米の株価は乱高下しました。
6月19日(火)の東京市場では、トランプ米大統領が2000億ドル規模の中国製品に対し、10%の追加関税を課すと警告。
新たな関税の対象になる中国製品の特定をUSTR(米国通商代表部)に指示したと伝わったことで、米中貿易戦争の激化を懸念する売りが先行し、日経平均は、一時2万2167円まで急落しました。

(出所:Bloomberg)
NYダウも、6月21日(木)まで7日続落。

(出所:Bloomberg)
ただ、ナスダックが反発に転じると、日経平均も急反発するといったように、ボラティリティの高い状態が続いています。
為替市場も同様。
リスクオフ環境の中、一時109.55円まで急落していた米ドル/円ですが、当記事執筆時点で110.64円まで反発するなど、方向感のない流れになっています。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足)
■商品市場やアジア株の下落。注目は上海総合指数
一方、他市場に目を移すと、米中貿易摩擦の加熱により、代表的な商品先物指数の1つ、CRB指数は急落。

(出所:Bloomberg)
新興国市場も上値の重い展開となっています。
注目は、上海総合指数です。
米中貿易摩擦の悪化により、6月19日(火)の上海総合指数は、前日比3.8%安の2907で引けています。これは、2016年9月以来の3000割れです。

(出所:Bloomberg)
■中国経済とつながりが深い豪ドルは、値を崩す展開に
一連の商品指数の下落、アジア株の反落という流れから連想される通貨は、中国経済とのつながりが深い豪ドルでしょう。
オーストラリアは、中国経済とのつながりが深いため、米中貿易戦争がエスカレートすると、豪ドルは真っ先に値を崩します。
加えて、もう1つ豪ドルを軟調にしている要因は、オーストラリアと米国の10年債利回りの行方。以下のチャートは、豪ドル/米ドルと、豪10年国債利回りと米10年国債利回りのスプレッドとの相関性を表しています。

(出所:Bloomberg)
豪国債は米中の応酬が激しさを増すたびに、米国債より大幅に値上がりし、豪国債の利回りは低下。米豪10年国債利回りの格差は米国債優位となり、その大きさは1999年以来の水準に達しています。
この豪10年国債と米10年国債のスプレッドの動きから想定すれば、相関性の高い豪ドル/米ドルの上値は、極めて限定的だと想定しています。
■リスクオフ環境が続き、米ドル/円も反落か
加えて注目は、豪ドル/米ドルの2001年来からのサポートです。

(出所:Bloomberg)
本稿執筆時点での豪ドル/米ドルは、0.7360ドルレベルで推移。
仮に、豪ドル/米ドルが、今月0.7300ドルより下で引けると、この2001年来のサポートをクリアにブレイクすることとなり、豪ドル/米ドルの下値余地は、かなり拡大することになるでしょう。
今現在のレベルよりも豪ドル/米ドルが下落しているという相場環境になれば、商品市場はさらに軟調になり、アジア株も値を下げていると考えられます。
つまり、リスクオフ環境が続くということです。
そうなると、米ドル/円も反落する可能性が高く、豪ドル/円も80円を割り込み、78円に向けて、じり安の展開になってくるのではないでしょうか?

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/円 日足)
低迷を続ける商品市場と、3000を割り込んだ上海総合指数。これに連動し、続落している豪ドル/米ドルや豪ドル/円の行方に注目です。
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