■市場のテーマ米通商政策とBrexit交渉に
現在の市場のテーマは、米国の通商政策と、Brexit(英国のEU離脱)交渉になります。
先月(8月)下旬ごろから、英ポンドはBrexit交渉の悲観的な材料には反応が鈍く、楽観的な材料には反応が大きく、そのため英ポンドは上昇し、英ポンド/米ドルで1.3297ドルまで上昇しました。

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これは、合意なき離脱(※)の可能性が高まり、先月(8月)上旬までの下げがそれを織り込みにいき、市場のポジションが売りに偏った結果、悲観的な材料には反応しにくくなり、楽観的な材料には反応するようになったためと考えています。
(※編集部注:「合意なき離脱」とは、2年間の交渉で合意に至らず、何の取り決めもないまま、英国がEUを離脱すること)
【参考記事】
●EU離脱交渉に揺れているのに英ポンドはなぜ反発しやすい?バカラ村氏の答えは…
●日本のBrexit報道は正確ではない!? ソフト・ハード・合意なき離脱の違いとは?(9月12日、松崎美子)
■目先、英ポンドは軟調な展開か…
ところが、9月21日(金)に、メイ英首相が会見で、Brexit交渉は「袋小路に陥っている」、「悪い合意であれば、合意なしの方が良い」と発言したことで、英ポンドは急落。英ポンド/米ドルは一時、1.3054ドルまで下がりました。

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同じような発言は、これまでにもありましたが、今回は英ポンド売りで反応しています。
英ポンドは、これまで反応が鈍かった悲観的な材料に、市場が反応してきていることになります。とすれば、先週(9月17日~)までの上昇で、売りに偏ったものが、かなり解消されたのではないかと考えています。
ポジションの偏りが無くなってきたのであれば、今後は、悲観的な材料にも楽観的な材料にも反応しやすいのではないかと考えていますが、チャートからは、9月21日(金)の陰線が大きいため、目先、英ポンドは軟調になりやすいのではないかと考えています。

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■対中関税第3弾発動もリスク回避は緩和
もう1つの市場のテーマとなっている通商政策の方は、昨日(9月24日)、米国が中国に対して第3弾となる、2000億ドル相当の追加関税を発動しました。
ただ、当初は25%と言われていた関税率が10%になったことで、リスク回避が緩和され、株式市場は堅調な動きとなっています。
【参考記事】
●米ドル/円、112円~113円台では売りか! 対中関税と中国株の動向がカギを握る!?(9月11日、バカラ村)
●雲を上抜けた米ドル/円は113円を目指す! 対中関税第3弾発動でも市場はリスクオン?(9月21日、今井雅人)
■今週は日米首脳会談とFOMCに注目!
今週(9月24日~)の注目イベントは、26日(水)に予定されている日米首脳会談と、FOMC(米連邦公開市場委員会)になります。
日米首脳会談の内容によっては、米ドル/円やクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)の行方が、変わることになります。

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米国の最大の貿易戦争相手国である中国への関税率が10%へ低下したこともあり、日本に対して、それほど強い圧力がかかることはないと思いますが、トランプ大統領は何をしてくるのかわからないため、警戒するところではあります。
テクニカル的に、ユーロ/円、英ポンド/円、豪ドル/円などは…
【注目情報】
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