■「トルコの大手銀行破綻」という最悪のシナリオは回避
日本では報道されませんでしたが、実はトルコリラをサポートしているもうひとつの重要な動きが今週(9月24日~)ありました。それは、トルコ大手銀行のアクバンク(AKBANK)が約1000億円のシンジケートローンを確保しそうだというニュースです。
アクバンクは外国から借りている債務の償還が近づいていて、そのリファイナンスに困っていました。そして、この話題がイスタンブール市場ではかなりのリスク要因と見られていました。
実はアクバンクと同じ状況に置かれているトルコの銀行が多いです。トルコの銀行の年内に期限を迎える債務は合計で約6500億円と推定されています。
アクバンクのローン確保は同じ状況に置かれている他のトルコの銀行にとっても前例となるので、とてもポジティブなニュースです。
現地でもっとも恐れられているシナリオは、トルコの大手銀行がリファイナンスできず破綻してしまうことです。これは2001年のような金融危機に発展し、最終的には政府が銀行を全部救済しなければいけないという最悪の事態を引き起こす可能性があります。
【参考記事】
●大暴落と安定。約30年間のトルコリラ相場を振り返る。エルドアン政権の功罪とは?
アクバンクのローン確保はその可能性が低下することを意味するので、トルコリラの上昇圧力になると考えております。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:トルコリラ/円 日足)
シンジケートローンが確定するのは今週(9月24日~)の木曜日(9月27日)だと言われております。一方で、アクバンクはこのローンを確保するために2カ月前に出したオファーより75bpも高いオファーを直近で出したそうです。
これは、トルコの銀行の交渉力が弱体化していることと、今後も資金調達の面で苦戦を強いられることを意味しています。
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