■トルコリラ上昇の背景にあるものとは…
トルコリラは、10月25日(木)に行われたトルコ中銀の政策会合以降、堅調に推移しています。市場は、金利の引き下げまで懸念していたので、金利の据え置きは、評価されたのではないかと考えます。
【参考記事】
●トルコショック第二波はもうやって来ない!? トルコリラ/円は年内20円前後で推移か(10月26日、エミン・ユルマズ)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:トルコリラ/円 4時間足)
しかし、今週(10月29日~)に入ってからのトルコリラの上昇原因は、政策会合ではなく、原油価格の下落です。

(出所:Bloomberg)
トルコの経常赤字の中身は、ほとんど原油であることから、原油価格とトルコリラは逆相関関係にあります。

※通常取引される通貨ペアは米ドル/トルコリラだが、それを逆転させたトルコリラ/米ドルを掲載
(出所:Bloomberg)
原油価格の下落によって、トルコの経常赤字は縮小します。これは、トルコのカントリーリスクの低減を意味します。トルコリラも、リスクの低減に伴って上昇に転じたというワケです。
現状、ファンダメンタルズの改善に加え、地政学的な面からも、トルコを取り巻く環境は改善してきています。ブランソン牧師の解放による米国との関係改善、カショギ事件によるサウジアラビアとの関係改善によって、トルコの中東における地政学的な地位が高まりました。
【参考記事】
●ブランソン牧師釈放。経済制裁解除も近い!?トルコリラ/円は20円超えに向けて上昇中!(10月17日、エミン・ユルマズ)
為替相場は、これらの要因を織り込んできていると考えます。トルコリラに関しては、引き続き、堅調な動きを期待しています。

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