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田向宏行
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エミン・ユルマズの「トルコリラ相場の明日は天国か? 地獄か?」

ブランソン牧師釈放。経済制裁解除も近い!?
トルコリラ/円は20円超えに向けて上昇中!

2018年10月17日(水)11:52公開 (2018年10月17日(水)11:52更新)
エミン・ユルマズ

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■ブランソン牧師釈放でトルコへの経済制裁解除は近い?

 トルコと米国の関係悪化の要因とされる、トルコで逮捕されていた米国人のブランソン牧師は、10月12日(金)に釈放されました。

 ブランソン牧師は、釈放後、ドイツに寄ってから米国に帰国。その後、ホワイトハウスに招かれ、トランプ大統領と会談しました。

 トランプ大統領は、牧師の釈放についてはエルドアン大統領に感謝していましが、トルコへの経済制裁解除についてはコメントしませんでした。しかし、個人的には、経済制裁の解除が近いと考えます。

ブランソン牧師は米国に帰国後、ホワイトハウスでトランプ大統領と会談。エミンさんは、牧師釈放でトルコへの経済制裁の解除が近いとの見解を示している (C)Mark Wilson/Getty Images

ブランソン牧師は米国に帰国後、ホワイトハウスでトランプ大統領と会談。エミンさんは、牧師釈放でトルコへの経済制裁の解除が近いとの見解を示している (C)Mark Wilson/Getty Images

 ブランソン牧師が釈放された背景には、検察側の証人が証言を撤回したことがあります。この証言がブランソン牧師逮捕の一番の理由でしたので、証言の撤回で釈放が可能になりました。

 一方で、裁判の結果は無罪判決ではなく、有罪判決でした。牧師は3年間の実刑を言い渡されましたが、今までの拘束期間が長いことが考慮され、釈放されました。

 これはトルコの裁判でよくあることですが、逮捕期間が長いと有罪になっても罪はすでに償ったとされます。この判断については、残念ながら政治的と言わざるを得ません。政府の判断への影響力は大きく、微妙な判決によって国内と国外、両方を満足させたい意向が見えます。

■遅くても米中間選挙後には経済制裁解除へ

 それでは経済制裁の解除は、いつになるのでしょうか? 実は、裁判の直前に米国とトルコは、ブランソン牧師の釈放について秘密の合意を結んだとNBCが報じました。

釈放の代わりに、米国はトルコに対する制裁を解除するのが条件と報じられています。

 当然、両政府はこの報道の内容を否定しましたが、個人的には報道が正しい可能性が高いと考えています。したがって、トルコへの経済制裁は、遅くても米国の中間選挙後に解除されると予想しています。

ブランソン牧師の釈放でトランプ大統領は福音派の票を獲得し、大きな外交勝利を得たといえる  (C)Mark Wilson/Getty Images

ブランソン牧師の釈放でトランプ大統領は福音派の票を獲得し、大きな外交勝利を得たといえる  (C)Mark Wilson/Getty Images

 ブランソン牧師は、ホワイトハウスでトランプ大統領の選挙勝利のためにお祈りしましたが、彼はトランプ支持が厚い福音派に属しています。彼の釈放でトランプ大統領は福音派の票を獲得し、大きな外交勝利を得たといえます。

■トルコと米国の関係改善がスタート

 トルコにとっても、とてもいいタイミングで米国との関係改善をスタートできました。実は、トルコと米国の接近は、すでに始まっています。トルコで行方不明になったサウジアラビア人のジャーナリスト、ジャマル・カショギ氏(以下、カショギ氏)の件で、ポンペオ国務長官は、本日(10月17日)、トルコを訪問することになっています。

 ポンペオ長官は、サウジアラビア訪問後、トルコに立ち寄ることになっていますが、エルドアン大統領との会談も予定されています。

 トルコの外交スタンスは、わずか2カ月間で、米国と敵対するという姿勢から、再び同盟国という姿勢に変わりました。カショギ氏の件で、サウジアラビアと欧米諸国との関係が悪化している一方で、トルコと米国は密接に協力しています。

 カショギ氏は、元々トルコ系であるサウジアラビアの名家で、トルコ国内でもコネクションが強い人物だっただけに、彼の行方に関してトルコ政府は異常な関心を示しています。

■ブランソン牧師釈放でトルコリラ/円は20円超えへ

 トルコリラは、ブランソン牧師釈放後、上昇トレンドに入っており、トルコリラ/円は20円に接近しています。

トルコリラ/円 4時間足
トルコリラ/円 4時間足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:トルコリラ/円 4時間足

 以前もこのコラムで指摘したように、私は、ブランソン牧師の釈放で、トルコリラ/円は20円を超えると考えています。

【参考記事】
ブランソン牧師の10月釈放期待が高まる! 実現すれば、トルコリラ/円は20円超えへ(9月26日、エミン・ユルマズ)
エルドアン大統領のドイツ訪問は好材料!米国人牧師釈放ならトルコリラ/円20円超え(10月3日、エミン・ユルマズ)

 次の注目イベントは、10月25日(木)に開催されるトルコ中銀の政策会合ですが、一部で追加利上げの期待もあります。

 トルコ政府は、10月~11月にインフレ率の上昇が減速するとの考えを強く示しているので、追加利上げの可能性は大きくないと考えていますが、もし、利上げがあるとすれば150bp程度のものになると考えます。

 大きな上昇は期待しにくいものの、米国との関係改善が継続すれば、トルコリラは年内、安定した動きになると予想しています。

トルコリラ/円 週足
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(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:トルコリラ/円 週足

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