■「米中間選挙通過でリスクオン」は正しくない?
注目された米中間選挙は上院が共和党、下院は民主党と予想通りの結果で通過しました。
サプライズは起きませんでしたね。
結果を見た株式市場は上昇。米株の主要3指標(ダウ平均、S&P500、ナスダック平均)は、いずれも200日移動平均線を回復しました。リスクオン的な動きですね。
【参考記事】
●予想どおりの米中間選挙後、米国株急騰! Brexit楽観報道で英ポンドの反発に要警戒(11月8日、西原宏一)
●米ドル/円の112円台は押し目買いゾーン! 仮想通貨低迷で投資家はトルコリラに殺到!?(11月8日、今井雅人)
●米金利上昇→株下落→円高の可能性小。今後は利上げで株高。ドル/円に上昇余地(11月9日、陳満咲杜)
リスクオンかというと、違うのかなと。大手外銀は初秋から軒並み、株価下落への警戒を強めていました。実際に10月、株価は急落したわけですが、選挙を通過したことで買い戻しが出たのだと考えています。
チャートを見ても、中間選挙の結果が出た11月7日(水)こそ長い陽線となりましたが、勢いは続いていません。
【参考記事】
●米国株急落はヘッジファンドの思惑どおり! 米中間選挙のシナリオと相場の反応を予想(11月1日、西原宏一)

(出所:Bloomberg)
■FRB議長の講演に注目。米利上げの打ち止めは近い!?
先週(11月5日~)は、FOMC(米連邦公開市場委員会)も開催されましたが、こちらも予想どおりの据え置き。特に波乱はありませんでした。
次の12月19日(水)に利上げとなる見通しです。織り込み度は、まだ75%程度ですが…。
【参考記事】
●イラン「幽霊船」が闇輸出!? 中間選挙は金利急騰に注意。ユーロ/ドルは買い方針!(11月5日、西原宏一&大橋ひろこ)
利上げが確実という時、織り込み度は90%を超えていきます。それに比べると、まだ低いですね。
これから織り込まれていくのでしょう。
今週は11月15日(木)早朝に、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の講演が予定されています。
少し長い話をすれば、米利上げの打ち止めは近い。12月のFOMCでは、2019年の見通しに対して、まだ強気を維持するでしょうし、それで株が売られやすくなるかもしれません。
でも、いずれ金融政策をニュートラルへ戻すシグナルが出てくるはず。そのときは株が買われるかもしれませんし、逆に、それまでは弱いとも考えられます。
■WTI原油の10営業日続落は「炭鉱のカナリア」か!?
コモディティ市場を見ると、WTI原油先物が10営業日続落。60ドルを割ってきました。背景にあるのは需給のゆるみや、イラン制裁の形骸化などですが、さすがにこのスピードは異常。
何か起こりそうな、「炭鉱のカナリア」を感じさせる動きでもあります。
【参考記事】
●イラン「幽霊船」が闇輸出!? 中間選挙は金利急騰に注意。ユーロ/ドルは買い方針!(11月5日、西原宏一&大橋ひろこ)
●「炭鉱のカナリア」が米国株急落を警告!? 米ドル/円、クロス円の続落に警戒必要!(10月11日、西原宏一)
10月高値からすでに20%以上の下落ですから、「ベアマーケット入り」と言っていいのでしょう。
原油市場の動きからも、リスクオンと言えるような環境ではありません。ここからも、株式市場は戻り高値を試しに行っている段階と見ていいのだろうと思います。

(出所:Bloomberg)

(出所:Bloomberg)
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