金曜日は海外市場でリスクオンとなるマクロ要因が並んだ。WSJによると、FRBが資産縮小のペースを緩めるのではないかというのである。量的緩和の停止は一昨年の9月に発表されたものだが、これが淡々とこなされてきたものが停止するかもしれないというのだ。あくまでも観測記事なのであるが、それもあるうるだろうということで市場はこのニュースに飛びついた。
為替相場ではドルの全面安の展開になった。ドル円はリスクオンの影響で110円間近まで上げていたのだが、急激に目先の頭が重くなった。そしてスピード感こそなかったものの、ドル安はジリジリと進んで、ドル円は109円台のミドルまで押し戻されてしまった。簡単に手の届きそうに見えた110円台だったが、存外に遠い。
一方でユーロドルはアジア時間から一貫してしっかり。つまりドル安のままだった。前日に久しぶりに1.12台に突っ込んでいたユーロドルだったが、1.13台に戻すと後はほとんど押し目なし。結局は1.14台まで一直線で上がって、そのまま高値引けの形となっている。
それだけドル相場の行方に影響を与えたはずのドル金利ではあるが、金利商品は反対に金利高の方向に向かって進んでいる。もちろん株高によるリスクオンの作用なのであるが、ドル金利が下がりきらなかったことに、現行のドル安がいつまで続くのかという不信感もある。
リスクオンとなったもう一つの材料は、アメリカ政府のシャットダウンについてだ。トランプ大統領が3週間の暫定予算を認めたというもの。これによって一部の政府機関の閉鎖は解除される。
だがそれでも大統領自身は壁建設の予算が出ないと再び政府閉鎖もありうるとしている。トランプ大統領の妥協だとの見方もあるが、先延ばしに過ぎず、一般教書演説すらできない現在の状況では、依然として余談を許さない。
今週はアメリカのGDPが出てくる。昨年の10月以降は米国株の不調の時期と重なっているので、それがセンチメントを変化させて個人消費にどのくらい低下させたのかを確認する場となる。
またFOMCもあり、パウエル議長の会見も行われるので、利上げペースや量的緩和についての姿勢を見たいところだ。さらに雇用統計もある。それゆえ戻り歩調にある米国株のとっては正念場を迎えることになるわけだ。しかも昨年の1月の最終週は大きく株価が崩れたことで記憶に新しい。時期的にも株価動向に関心が集まるのは避けられないのである。
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