■サプライズ的にハト派なFOMCを受けて、米ドル売りで反応
1月のFOMCでは、プログラムの調整を宣言していたわけですが、一気に終了することを決めてしまうといったサプライズの動きとなりました。
昨年(2018年)までは「金融政策正常化」のもと、政策金利の引き上げとバランスシートの縮小という両輪での政策を進めてきたFRBが、一気に両方を休止することになりました。
市場は当然のように米ドル売りで反応しました。米10年債利回りは翌日(3月21日)には一時、2.5%を割り込むまで急激な低下となったほか、米ドル/円は一時、110.30円まで売り込まれることになりました。
(出所:Bloomberg)
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そして、ユーロ/米ドルは一時、1.1448ドルまで買い上げられています。市場では「ある程度のハト派的スタンスへの変更は予想していた」ようですが、「これほどまでに、超ハト派になるとは思っていなかった」ようです。
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■米ドル/円は本邦勢の買い意欲強いが、上値は限定的か
さて、今後の為替市場ですが、米ドル/円は引き続き3月期末を控えて、本邦実需勢の買い意欲は強いです。
【参考記事】
●ブレグジットは長期延期の可能性高まる! 3月期末目前で米ドルの買い遅れが顕著に(3月20日、西原宏一)
ただ、これだけFRBが政策をハト派に傾けてしまったことから、しばらくは上値を追っていくような展開は考えづらくなりました。
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FOMC当日の米ドル/円高値が111.69円、その前の戻り高値が3月15日(金)の111.90円であったように、目先は112円台で頭をおさえられた形となりました。しかし、だからといって、110.00円を下回って下値を試すような動きにもなっていません。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
米国だけがハト派的な政策になっているわけではなく、その他の主要国でも事情は同じであるからです。
目先は、ブレグジット(英国のEU離脱)交渉が最終段階を迎えているなど、米国以外の政治的なリスクなどを見極めながら、慎重な姿勢で臨みたいと思っています。
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