■通貨防衛に成功! 地方選挙前のトルコリラ暴落を防いだ
トルコ中銀は同じような手法を、2001年の通貨暴落時も使いましたが、効果はありませんでした。
今回は、タイムリーな判断で投機的な売りを止め、通貨(トルコリラ)防衛に成功しました。この措置は、ずっと持続できるようなものではありませんが、ひとまず選挙前の通貨(トルコリラ)暴落は防げました。

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また、今回、トルコ中銀は直接、米ドル売りも行っています。その金額ははっきりわかりませんが、現地メディアによると、トルコの外貨準備高の減りから見て、約20億ドル分の米ドル売りがあったのではないかとのことです。
今回の動きを受け、4月の政策会合での利下げの可能性はほぼなくなったと考えています。3月22日(金)のトルコリラ急落は、トルコ中銀に通貨安定のために、引き締め姿勢を続けなければならないことを再びリマインドしました。
■三大都市の選挙結果で、トルコリラは大きく動く展開も
今週(3月25日~)末は、いよいよトルコ地方選挙です。注目度が高いのはトルコ三大都市であるイスタンブール、アンカラとイズミルの市長選挙ですが、イズミルは最大野党のCHP(共和人民党)が非常に強く、選挙で負ける可能性は極めて低いです。
接戦が繰り広げられるのは、イスタンブールとアンカラだと考えます。特にイスタンブールはエルドアン大統領の地元であり、エルドアン大統領はイスタンブール市長に当選した1994年からイスタンブールで負けたことがありません。

エルドアン大統領は自身がイスタンブール市長に当選した1994年から負けたことがないという。今回の選挙ではどうなるのか? (C)Anadolu Agency/Getty Images
与党連合がイスタンブールで負けることになれば、選挙後のトルコリラも大きく上下する可能性があるので要注意です。

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また、首都であるアンカラも、前回の選挙でわずか3万票の差で負けた野党の候補者が再チャレンジしているので、野党が勝利する可能性が高くなっています。
個人的には、イズミルとアンカラでは野党、イスタンブールでは与党が勝利するのではないかと予想していますが、トルコの選挙は投票率が高く最後の最後までわかりません。
選挙結果がわかるのは、日本時間の4月1日(月)の未明になりますので、週明けのトルコリラの動きに注意すべきだと考えます。
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