■10連休入りへ。「11日分スワップ」の影響は?
先週(4月15日~)の米ドル/円値幅は40銭ほどしかありませんでした。欧米がイースター休暇だった影響もあるのでしょうか。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
今日(4月22日)もニューヨーク市場こそ動くものの、休場の国が多いですし、実質的にお休みモードですね。
今週末(4月27日~)からは、いよいよ10連休へと突入します。フラッシュクラッシュ的な暴落はあるのでしょうか?
【参考記事】
●フラッシュ・クラッシュで米ドル/円が暴落! 株の下落を伴えば、100円割れの可能性も!?(1月7日、西原宏一&大橋ひろこ)
●フラッシュ・クラッシュの真犯人はトルコリラ!? クラッシュ時もスプレッドが優秀なFX会社は?
●フラッシュクラッシュのロスカット等未収金は過去3番目の規模! 25%がくりっく365から発生
●ゴールデンウィークは円高になるって本当? 過去20年を徹底検証。10連休はどうなる…
あまりに警戒感が強いですから、起きないのかもしれませんが、株でも為替でもポジション調整の動きは出てくるでしょう。
ザイFX!でも記事になっていましたが、4月25日(木)の早朝に持ち越すと11日分のスワップポイント(スワップ金利)がつくことがあるようです。この影響はありますか?
【参考記事】
●10連休前の4日間で32日分の大量スワップ! 為替変動リスクなしで年利30%儲ける方法も
機関投資家はまったく意識しないでしょうが、短期トレードを好むディーラーならばロールオーバー前後のタイミングを狙うことはあるでしょうね。
■アップル決算、月曜早朝、NT倍率が暴落の引き金に!?
連休中の4月30日(火)にはアップルの決算発表も控えています。1月3日(木)のフラッシュクラッシュはアップル決算が引き金のひとつにもなりました。
【参考記事】
●フラッシュ・クラッシュで米ドル/円が暴落! 株の下落を伴えば、100円割れの可能性も!?(1月7日、西原宏一&大橋ひろこ)
●フラッシュ・クラッシュの真犯人はトルコリラ!? クラッシュ時もスプレッドが優秀なFX会社は?
日程的には、仕掛けたい投機筋にとって使いやすいところにありますが、前回は株式市場がクラッシュした直後、ペシミスティック(悲観的)なムードでの決算発表でした。今とは環境が違います。
ただし、アップル決算に限らず、「何らかの数字が悪いから米ドル/円を叩いて動かそう」という力が働きやすいのはたしかです。
日本の個人が狙われるのだとしたら、要注意なのは4月29日(月)と5月6日(月)の早朝。つまり月曜日の取引開始時でしょうか。個人のロスカットが出やすく、流動性が非常に薄い時間です。
株式市場は堅調に見えますが、気になるのが「NT倍率」(日経平均をTOPIXで割った比率)が高水準になっていること。
TOPIXは、ほぼ横ばいなので日経平均はむりやり上がっているようにも見えます。
(出所:Bloomberg)
「強そうだけど強くない」という状態ですから、日本株が続伸するかというと疑問です。連休中、NT倍率の歪みを狙った海外勢が日経平均(※)を売ってくる可能性もゼロではないでしょうね。
(※編集部注:4月27日(土)から5月6日(月)は日本の証券取引所と商品取引所のすべてが10日連続の休業日となるため、日経平均は10日間算出されず、大阪取引所の日経225先物も10日間取引できない。海外取引所の日経225先物や日経平均を対象としたCFDは10連休中も基本的に通常どおり取引が可能)
■日銀会合からFOMCへ。消費増税延期の話題も
4月25日(木)には日銀金融政策決定会合、連休中の4月30日(火)にはFOMC(米連邦公開市場委員会)もありますね。
ともに現状維持でしょうが、日銀に対しては7月以降の追加緩和を見込む声も出てきました。
3月の日銀会合では景気判断を下方修正しましたから、追加緩和を期待する声が出るのも理解できますね。
先週(4月15日~)には安倍首相の側近から消費増税の延期を示唆する発言も出ました。世間の反応を見るためのアドバルーンなのでしょうが……。
景気見通しが悪化しているのなら消費増税を延期するというのは理にはかなっています。今すぐこの話題が為替市場に影響することはないでしょう。
■米ドル安が進むのは米ドル/円よりユーロ/米ドル!?
コモディティでは原油が注目。ポンペオ米国務長官が今日(4月22日)にも、日本など一部の国にイラン産原油の輸入を認めていた特例措置の打ち切りを発表するようです。このニュースでNY原油は65ドルまで上昇しました。
また、2月高値から下落していたゴールドですが、200日指数移動平均線やフィボナッチの38.2%水準まで落ちてきました。そろそろ反発しそうな気がしないでもない。
原油やゴールドが上がってくるのなら、為替市場では米ドル安でしょうか。ドルインデックスも、もみ合いの高値近辺にあります。
(出所:Bloomberg)
(出所:Bloomberg)
(出所:Bloomberg)
同感ですね。どの通貨に対して米ドル安が進むかというと、対円よりもユーロ。ユーロ/米ドルは落ち切らずに上がっていくイメージです。
米ドル/円は瞬間下がったとしても、下ではM&Aのオーダーや機関投資家が待ち構えています。
■連休中の暴落は米ドル/円の買い場に!
今週の戦略はどう考えますか?
米ドル/円については中期的に上目線ですが、112円近辺では買いたくない。
本邦勢はブレグジット(Brexit・英国のEU離脱)や10連休といったイベント前にはクラッシュを期待して買いオーダーを手控え、イベントを無風で通過すれば買ってくるのでしょう。連休中にフラッシュクラッシュ的な暴落があるのであれば買い場だと考えています。
NZドルに対しては5月8日(水)の政策金利発表で利下げの可能性が高まっており、下目線を継続です。
【参考記事】
●GW相場が米ドル/円を買う好機になるか!? 利下げ予想のあるNZドルは売り継続で!(4月18日、西原宏一)
(出所:Bloomberg)
※来週、4月29日(月)は休載させていただき、次回は5月6日(月)の配信となります。
(構成/ミドルマン・高城泰)
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