昨日は材料のない中、アメリカの10年ものの利回りが再び2.0%台を割り込んできたことが話題になった。これでドル円は下落に向かい、週末に北朝鮮のことでラリーした分はすべて帳消しとなった。また米国株も下げ基調で始まったのに、金利低下が支えとなって切り返し。終盤には史上最高値まで値を戻すこととなった。
長期金利の1%台というのは定着するのか、それとも期待先行しているだけなのか。これは過去の1%台だったときの状況はどうだっただろう。トランプ大統領が選挙で当選するまでは、つまり2016年の秋口までは、実に1%台で推移していた。
そのときは短期金利はゼロ金利。金利がこれ以上下げられないからといって、量的緩和のQE3の最中であった。それに比べて現在は利下げ期待があるとはいえ、短期金利は2%を越えているわけだし、まだ実際の利下げに及んでいない。
量的緩和もテイパリングの最中であり、資産買い取りは増大はしていない。これではゼロ金利と量的緩和までをも織り込んでいることになる。ということは金融相場の面から行き過ぎの見方がいなめない。
ドル金利の低下しかトピックがないからか、今日になってアジア時間でも米国債の買いが強烈に入った。10年ものの利回りは今年の最低水準まで落ち込んできた。これがドル保有の魅力低下につながり、ドル円も一段安の展開になった。
ドル円は前日の安値を下回ってきたが、確たるビッドは出てこない。今しばらくはドル金利を見ながらの綱引きが続くといったところだろう。
今晩は経済指標がたくさん出る。明日がアメリカの独立記念日だから、前倒して発表されるものが多いからだ。雇用や貿易のデータも出てくるが、今となってはあまりプレゼンスが少ない。
月末のFOMCまでまだかなり間があるし、それまでに見るべき指標がもっとあるからだ。アメリカは早々にお休みモードに入ることが考えられるので、ニューヨークの午後からポジションを作るようなことは避けたい。
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