■エルドアン大統領が中銀総裁を異例の解任!
エルドアン大統領は7月6日(土)にトルコ中央銀行のムラート・チェティンカヤ総裁を解任しました。
エルドアン大統領自ら、解任の理由はチェティンカヤ総裁が利下げ要求に応じなかったことと説明しています。

エルドアン大統領はトルコ中央銀行のムラート・チェティンカヤ総裁を解任。解任理由は利下げ要求に応じなかったことだという (C)Anadolu Agency/Getty Images
チェティンカヤ総裁の任期は2020年まででしたが、任期満了を待たずの異例の解任に国内外から驚きの声が多かったです。
しかし、よくよく考えれば、チェティンカヤ総裁の任命もかなり異例でした。
経済や金融のバックグラウンドが薄い彼を任命するため、エルドアン大統領は法律まで変えました。
彼はエルドアン大統領のリクエストを拒否できるような人物ではありません。そもそもトルコ中銀は7月の会合で利下げする構えでした。7月に利下げされる可能性が高いことについて、ちょうど1カ月前にこのコラムで指摘しています。
【参考記事】
●トルコ中銀は7月利下げの可能性高い! G20サミットでS-400問題に進展はあるか!?(7月13日、エミン・ユルマズ)
したがって、チェティンカヤ総裁が利下げ要求に応じなかったので解任されたという話は信じがたいです。
この解任劇の真の理由は経済的なところにあるのではなく、政治的なところにある可能性が高いと考えます。実はイスタンブール市長選挙での大敗北を受け、現在、与党・AKP(公正発展党)は大きく揺れています。
【参考記事】
●イスタンブール市長再選挙は与党大敗! エルドアン政権弱体化で解散総選挙も…!?(6月26日、エミン・ユルマズ)
■トルコ中銀総裁が解任された本当の理由とは?
AKP敗北の最大要因が経済政策の失敗と考えている党員が多く、そこで経済担当大臣のアルバイラク氏に批判が集中しています。
トルコメディアによりますと、党内では、彼の経済ポストからの解任を望む声が多くなっているようです。
しかし、アルバイラク氏はエルドアン大統領の娘婿であり、政権内でもっとも信頼している人物なので、そう簡単に解任するわけにはいきません。そこで、彼の代わりにチェティンカヤ総裁が犠牲になった可能性があります。
先週(7月1日~)からウワサされているとおり…
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