■7月FOMCでの「50bp利下げ」の織り込みが復活
当面は利下げが米ドル安誘導の手段となるのでしょうが、FOMC(米連邦公開市場委員会)は7月31日(水)。まだ半月ほど先ですね。
50bp(ベーシスポイント、1bp=0.01%)利下げの織り込みは一時、40%近くまで上がっていましたが、7月5日(金)発表の米雇用統計が強い数字となりゼロ%まで下落しました。
ところが、今はまた20%台まで戻しています。7月31日(水)まではまだ時間があります。50bpの織り込みが進めば米ドル/円の下落を促すのでしょう。
パウエルFRB議長は先週(7月8日~)、11日(木)の議会証言で「2%の物価上昇率を大きく下回りたくない。後手に回らないようにするのが、日本から得た教訓だ」と述べています。
インフレ率は7カ月連続で目標の2%を下回っていますが、史上最高値更新の株価にあっても利下げを示唆する背景にはデフレへの警戒があるようです。
今後はインフレ指標がマーケットの注目を強めると思います。今週(7月15日~)の注目は16日(火)発表の米小売売上高でしょうか。
今回の利下げが25bpだとしても、トランプさんが本気で米ドルを落とそうとするのなら連続利下げを促すことはできる。
10年債利回りが1.5%まで下がるようなことがあれば、米ドル安も加速するのでしょう。

(出所:Bloomberg)
■米国はトルコへの経済制裁へ動くか
米ドル安が進むのなら、高値圏での揉み合いが続いている金(ゴールド)はもう一段上昇する可能性が高まります。
また先週(7月8日~)にはアメリカが反対していたロシア製ミサイルがトルコへ搬入されました。アメリカからの経済制裁がありそうですね。
【参考記事】
●トルコ中銀総裁解任の本当の理由とは? S-400問題で米国の制裁はほぼ確実!(7月10日、エミン・ユルマズ)

(出所:Bloomberg)
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トルコといいイランといい中東周辺がきな臭くなっていますね。
■英ポンドは、ブレグジット関連の報道に乱高下するか
イギリスでは来週(7月22日~)に首相が決まります。ボリス・ジョンソンで決まりという声が大多数ですが、ブレグジット関連のヘッドラインにより英ポンドが乱高下する場面が増えるかもしれませんね。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/米ドル 週足)
基本的に米ドル全面安を見込んでいるのですが、対英ポンドだけはわかりませんね。
まず、リスクオンの状況でも値を下げている米ドル/円、そして他国に先駆けて利下げに踏み切ったものの、6月には緩和競争からの離脱をほのめかした豪ドル/米ドルで米ドルを売っていきたいと思います。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/米ドル 日足)

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
(構成/ミドルマン・高城泰)
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